Oのデリカシー

 クリスマスも近いある日のこと、都内某所で男女計7名が集まって、ちょっとしたパーティーをやった。
 宴もたかなわになり、丸いケーキを分けようということになった。
 ケーキの中央にはご丁寧にイチゴが8個並んでいる。
 人数は7人である。
 8人ならともかくとして、7人分をどうやって切り分けるかというのはその人の個性が出るというものだ。

 ケーキカット担当のH子はおもむろに中央にナイフをぐさり、と入れ、手前に引き、結局はなんだか不均等に8等分した。
「むこう端からまず中心線をまっすぐに切ればいいのに・・・」と、私はちょっと思った。
 まあ、なんとか皿に盛り分け、残った1切れのケーキをどうするかということで「女性3名で分けよう」ということになった。
 するとH子は三角形のとがったほうに刃をあて、縦スライスに3等分した。
 当然ケーキはふらふらとして立っていられなくなり、そして本人は3等分したつもりでも、ハタから見ると3等分には見えない。
「あーあ」
 私ではない。私の右隣にいたA嬢がタメイキをついた。
「ふつうはそう切らないもんでしょうが」

「えーっ? なんでー? ケーキっていったら三角に切るもんでしょうが」
「だって、もう1切れしかないんだったら、同じ『面積』になるように切るでしょうが」
そこで私も「絶対にそんなへろへろに切るのはおかしい。面積的に合うように切るよ」と参加。
すると「でもそうしたらイチゴがある人と、クリームがある人と不公平じゃない?」とH子の肩を持つ者が出てきた。
「絶対におかしいよねー」と意見が一致した私とA嬢はO型。
「三角に切るのが絶対に正しい」と言った残りがABとB型。それもきっちりと、店のテーブルの3辺を、O型のふたり、B型の2人、AB型の3人と分かれて座っているということが判明した。

「じゃあ、みかんはどうやってむく?」という質問に、
「蔕(ヘタ)のほうからむく」というのにH子以外全員一致。
ただし「白いところをきっちりとらないと気持ち悪い」というAB型に対して、少数派のO型は「そんなのどうだっていいじゃん」というところでまたまた意見が一致した。

 ちなみに、りんごのむき方は、O型はまず均等に切ってからむくということで一致。
AB型は「とにかく長く、きれいに、周囲をむく」という意見で一致。
B型は「周囲を丸くむくけれど、なかなかうまくつながってはむけない」というところで一致。

 そのあと「じゃあ、これはどうやって切る?」とか「あれはどうやって食べる?」とか、各自が問題提議(というほどのことじゃないけど)して、異常にエキサイトしたコンパとなった。
 結論としては、O型勢は「AB型ってやっぱりおかしいわ」という意見を持ち、AB型とB型はなぜか結託して「O型っておおざっぱだからイヤだよねー」ということに落ち着いた。
「いいのよねー。O型のデリカシーはO型しかわからないのよねー」なんて言いながら、なぜそこに、日本人には一番多いといわれているA型がいないんだろうと気がついた。
 ちなみに、男女ともクリエイティブ&技術者である。違った。O型のふたりは(私も含めてだけれど)なんとふたりとも編集者だったんだった。

「血液型別の性格なんて当たらない」と言う人は多いけれど、たまたまにしてもどこかやはり類型的なことがあるんじゃないかと思う。
 レストランに行ったときにかならず仕切るのがO型。みんなと絶対同じものは頼まないAB型。冒険はしないA型。気前のいいB型。なんていうことも私の周囲の「定説」だ。
 とくに女性ばかりで10年も仕事をしていると、どうしてもそれなりにパターンがあるように感じてならない。
 ちなみにネコの血液型はAB型しかないと聞いたことがある。真偽のほどはわからないけれど人間のとは違うらしいが、やはり・・・・とか思っちゃったりして・・・。



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