
最近、自宅の近所に着物屋さんを発見して、やおら着物に走っている。
先週は妹を連れていったおかげで総絞りの浴衣を二人分買うはめになった。
なんていいお姉さんだろう!私は中学生くらいのころ、親戚の叔母にお茶とお花を習っていたため、毎週着物を着る機会があった。
そもそもアメリカが大好きで、将来は絶対にアメリカに行きたいと思っていた私は、なぜか英語を勉強するのではなく「日本人なら日本のことを勉強すべきだ」と考えていた。
華道は池坊、茶道は藪の内。どちらも行儀作法がうるさい。(もしかしたら単に叔母がうるさいだけだったかもしれないけれど)
私は「内弟子」とか言われながらも、ていのいい小間使いとして、お稽古のある日曜は早朝から支度をして、夕方には後片付けという、シンデレラのようであったが、そのおかげでいまのエレガントな立ち居振舞いがあるといってもいい。
なんていうのは大嘘だけれど、多少は役にたっていることもあるのではないかと思う程度しか身についていない。着付けも、そのころはたぶん母が着せてくれていたのではないかと思う。
というのは19歳のころ、1年ほど着付けを習いに通ったことがあるからだ。
どうやってその先生を見つけたのか全然覚えていないのだけれど、週1度、人形町まで通い、装道の「着付けアドバイザー2級」を取得し、もうちょっとで師範の資格をとるところまでいった。
その先生のおかげで組みひもも作らせていただいたし、浴衣どころかウールの着物まで自分で仕立てたのだからわれながら驚いてしまう。
そんな時代があったのだ。
ひとりで「ふくら雀」(という帯結び)まで15分で着付けることもできたのだったっけ。
でも、いまはすっかり忘れてしまって、「プレタ着物サロン おりーぶ」の半田直子さんが師匠である。
渋谷区神泉町にあるこのお店では、レンタル屋さんから流れてくるものや、リサイクルの着物もあって、モノによっては洋服よりも安かったりする。
しかし、着物を着るとなると、肌襦袢、長襦袢、紐類、伊達巻、帯、帯揚げ、帯び締め、半襟、足袋、草履など、このくらいは最低必要で、しかも季節や着物の「格」によって組み合わせが決まるので、極めるとなるとたいへんな騒ぎだ。
若いころの着物は派手な色柄の「かわいい」ものが多く、シックでエレガントというものがほとんどない。
「おりーぶ」はなによりお安いし、目効きがいるので、チープシックな着物道楽にはちょうどいい。
最近、エグゼクティブの方とのお食事やパーティーには着物をちゃらちゃらと着ていく。
毎月21日にやっている「Junco's Salon 21」も6月と8月は浴衣で出席しようと思っている。
着物も何度も着ていると身体が思い出してきて、だんだん自分でも着れるような気がしてくる。
今日はひとりで名古屋帯を締めてみたけれど、ひさしぶりにやったにしては概ねOKだった。
でも、イザというときのことを考えて、やっぱりひとりで着れなくちゃな…なんてことを思って、しっかり着付けの特訓をしようと思っている。実家に箪笥二棹分くらいある着物をごそごそ物色して「東京に持って行く」と言ったら、母親の大反対にあった。
「火事にでもなったらどうするの?」(鎌倉に置いておいたって、火事になるときはなるでしょ)「あんたみたいにだらしない人が持ってたら、あっという間にダメになる」(返す言葉なし)
でも、着なければまた1年、箪笥の肥やしになるだけなんだからと言って、何枚か持ってきたのだったが、結局は「いま欲しい柄」を買ってしまっている。
今日電話をしたら、母はいまになって「昔の着物がたくさんあるのよねー。どうせ着ないんだから、あなたがみんな持っていけばいいのに」なんてことを言っていた。
チャンス。
気が変わらないうちに取りに行こう。あと、私は大正時代くらいの着物と、色がついた長襦袢が欲しい。
長襦袢については「紅絹」(もみ)という赤い絹地のついたものが欲しいのだけれど、どこに行ったらいいのかよくわからない。
万が一、これを読まれた方で「着ないからあげる」という奇特な方がいらしたらご一報ください。
あなたに代わって、だいじに着てさしあげますので。
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