
東京に住んでいると遊ぶところが数限りなくあるように思われがちだけれど、おしりが重い私はまったくといっていいほど遊びに行くことはない。
「合コン」についていろいろ聞いたばかりのある日、女性ばかりで新宿に繰り出すこととなった。
メンバーは、某外資系コンピュータ企業に勤めるIndy(24)と彼女の友達Yoko(23)、Made In Love社長の松井さん(30直前?)、松井さんの友達で某出版社勤務Maki(23)という、考えてみれば私と松井さん以外はいちおう20代OL(?)。考えてみれば私の会社の社員構成みたいなものなんだけれど、ちょっと違うのはそれぞれBFがいて、みんな海外生活経験があるということだ。
Yokoなどは中学生のころからオーストラリアに留学していたというツワモノで、彼女自身よりも彼女の親がすごいと思う。たったひとりで留学していた彼女は、言葉もよく通じないころ、授業で指されると同級生全員が「チャラララランラン、ランランラーン」という中華風のBGMを唄われたそうで、「そのたびに『それは中国なんだよ』と思った」のだそうだ。
「言葉が通じないときにできた会話はシモネタだった」と笑うYokoに対して、「男女部屋が混在していた大学寮では当然部屋に入らないでーというときがあって、そのときは部屋のドアにピースマークの絵をかけておくという暗黙のルールがあった」というIndy。
「でもさー、アメリカ人てどこでもやらない?」「結構すぐにやるよねー」
そんな会話を声高に、新宿職安通りの韓国料理店で交わしたあと、ぞろぞろとレズバーへと向かった。最初の店は、21歳から23歳のボーイッシュな女の子3人がやっているカウンターバーで、レズバーのなかでは高いほうらしい。
なんだか学園祭の模擬店に来たみたいな感じで、それはそれで楽しいんだけれど、色っぽい盛り上がりはいまひとつ。なにか期待と違うぞ?と思いつつ2軒め。
ぐっと狭いカウンターで、世間に疲れたという感じのアンニュイなおねえさんがやっているカジュアルなお店で1杯。ここでIndyのBF、ジローさんがアッシーとして(?)合流。
妖しい目がチャーミングなおかまのあやかさん(来週50歳)のカウンターで1杯。
おかまのまことくんの店を通り過ぎて、言ってはなんだけど、小汚いオカマさんのやっている小汚いカウンターバーで1杯。
最後に、おかまにしておくにはちょっともったいないハンサムな青年ひとりがやっている店でやっとソファーに座ることができて、ウーロン茶を1杯。
帰宅したのは朝の7時だ。
たまにはこういう市場調査もいいかもしれないけれど・・・ なんだか物足りない。期待が大きすぎたのかしら?私はレズバーっていうのはもっと「隠微」なものだと思っていたのだけれど、今回のツアー店はすべて「健全」そのものだった。
隠微な世界に入るにはそれなりの心構えとマナーが必要なのかもしれないし、そもそも一見さんがいきなりディープな体験などできるわけもないんだろうけれど・・・。ワンショット1000円のお酒なら新宿に行かなくても飲めるし、ふだん贅沢をしている私などには、狭くて食べ物がないカウンターバーの居心地というのは馴染めないものがあるのかもしれない。
酒が回ると周囲の人に噛み付くクセがあるという某嬢も、噛み付く相手がいなかったのか、酒が足りなかったのか、帰るときにも足元がしっかりしていた。ということは、酔うに酔えなかったのだろう。一晩たってよくよく思い返すと、そこには「会話」がなかなか生まれにくく、時間を持て余してしまったといえる。
幸か不幸か、私は常日頃刺激的な話のまっただなかにいて、魅力的な、そして活動的な人々に揉まれている。
だからこそ「癒し系の」といいたいところだけれど、それならばバーで悶々とするよりはひとりで家に居たほうが落ち着くし、さらに言えば、愛する人に抱かれているほうがよほど癒されるというものだ。
「レズバーはへんなオヤジがいないからいいよね」というのは賛同できる意見ではあるけれど、いつもレズバーみたいな会社にいる身としては(笑)、なんだか会社の延長のようでもあった。
(もっとも今回のツアーは、男装したレズとか、女装したゲイとか、そこまでディープなところではなかったから、ある意味ではぎりぎりノーマルとの境界であったといえるけれど)
ちなみに、ノーマルな人のことは「ノンケ」といい、男性的な役割をするレズを「タチ」、女性的な役割をするレズを「ネコ」という。
そしてスカートをはいているけれどタチ役を「スカタチ」、ズボンをはいているけれどネコ役を「ズボネコ」というそうである。(違ったかな?)
話をしてみると、「外見的にはネコだけど、ベッドではタチ」とか、「タチっぽいけど実はネコ」とか、レズの場合はプロでも見分けがつかないこともあるらしい。「ところで、レズどおしの合コンてあるの?」と聞いてみると「難しいんじゃないかなー」というお答え。
そもそも5対5とかでも、タチとネコが入り乱れ、なかには「リバる」(逆転する)場合もあるとなると、「それは単なるオフ会とか、飲み会ですね」ということであった。それにしても、なんとなく釈然としない私と松井は、第2陣としてもっと隠微なところへ行こう計画をたてている。
|
ドネーションボックスの
説明はこちらです。 |
|||
|
|
|||
| ご意見・ご感想 | 淳子通信表紙にもどる | A-Girl 表紙にもどる | |