子供用の強壮剤

私の亡父は漢方薬が好きだった。
その家系にある私や妹も、そうしたサプリメントが好きなほうだといえる。
元サンリオ社員だった妹に至っては、サンリオで販売しているニンニクエキス錠、プロポリス、霊枝、冬虫夏草ドリンクときて、最近はMACAとコラーゲンドリンクにはまっている(so do I)
私はといえば、医者にもらったビタミン剤をときどき飲み、薬局で勧められた整腸剤をときどき飲み、そしてときどき食事替わりにカロリーメイト(ドリンク)を飲む。
私はあまり食べ物に執着しない、というよりも、ジャンクフードは口にしたくないので、へんなものを食べるくらいならカロリーメイトのほうがマシと考えている。

ところが、ストレスのせいか、たまにとてつもなくジャンクフードが食べたくなる。
ハンバーガー、ドーナツ、お菓子類・・・
ピザは私のなかではジャンクには入っていないが、ピザを食べるときには(私のなかでは)かならずコーク(No PEPSI)がセットになっていて、コークをはじめとする炭酸飲料はタバコと同じくらい有害だと、私は思っているにもかかわらず、そのときは飲んでしまう。
たまにはそうした背徳的行為もいいものだと思うけれど、やはりふだんは健全な食生活が望ましい。

ところで、幼稚園にも行かない赤ん坊に炭酸飲料を飲ませている母親が遠縁にいたことがある。
ジュースは「安い」という理由で、果汁10%とか30%というような色のついた砂糖水を飲ませていた。
さらになによりも怖いと思ったのは、ベビーにポカリスエットを飲ませていたことだった。
知っている人は知っていると思うが、ポカリスエットやゲータレードなどは塩分が多く、運動する人の水分補給にはいいのだが、赤ん坊に常飲させるなどもってのほかだ。
高熱時などには幼児用のものがある(はずだ)が、常飲は幼児性成人病の原因になるといわれている。
にもかかわらず、彼女は彼女の母親とともに、せっせとそうしたジャンクドリンクを子供たちに与え、子供たちもまともな飲料(絞りたてのオレンジジュースや牛乳など)には目もくれなかった。
思い出しても恐ろしいことだと思うが、そのころの子供たちはいまはもう中学生か高校生にはなっていると思う。どんな子供に育っているのだろうかと、急に思い出してしまった。

中外製薬が子供向けのグロンサンを発売した。
5歳から14歳を対象に、各種ビタミンやカルシウムを補強するグルコン酸カルシウム、ローヤルゼリー、ニンジン、ゴオウなどが配合されて、1本250円。
「風邪などで熱を出したときの栄養補強や滋養強壮」が目的ですって!?
おまけに「受験シーズンを迎え、子供の健康管理に気をつかう家庭などで需要あり」ですって!?

ねえ、なにかおかしくない?
子供が疲れたら(たとえ子供でなくても)寝るのが一番でしょう?
栄養が足りないと思ったら、栄養があるおいしいものをつくってあげればいいんじゃないの?
子供たちが塾帰りに、腰に手をあてて強壮ドリンクを常飲する姿なんて、ぞっとしない?

子育てに熱心な主婦が皆賢いとは限らない、と私は思う。
こうしたドリンクが発売されれば、「からだにいい」「元気になる」といって与える馬鹿な母親たちがたくさんいるに違いない。
そうした「知識のない人々」を食い物(別の言い方をすれば「マーケット」とみなす)にする商売はぞっとする。
しかし、馬鹿な人たちほど、洗脳されやすく、流されやすく、たやすく企業の思惑どおりに動いてしまう。

なにが正しくて、なにが正しくないかという判断は難しい。
劇薬であっても、正しい使い方をすれば良薬となるのであって、要は「正しい使い方、取り組み方」であると思う。
「毎日ハンバーガーなどのジャンクフードを食べ続けたら、間違いなく、将来は動脈硬化になります!」と、ある油脂メーカーの研究者に聞いたことがある。
「直接の影響は出なくても、3世代あとに、かならずなにかの障害が出る可能性もある」とも。

たとえなにかの病気になっても、それは飲食物のせいではないかもしれないし、すべての環境が複合した結果であると思う。
電磁波や、公害を含め、私たちの周囲には「あぶないもの」がたくさんあるのだから、いまさら飲食物についてナーバスになるのもどうかとは思うけれど、それでも子供たちにはマトモなものを食べさせてあげたいと思う。
栄養ドリンクを子供に与えるなんて、絶対に間違っている。
私はそう思う。

 



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