たなかまきこの勝利

政治に関してまったくといっていいほど関心がない私でも、森総理のおかげで「いまの内閣はなっとらん!」なんてことを考えるようになった。そういう意味では森総理は歴代総理のなかで一番偉い人じゃないかと思ったりする。
そんなアンチ森人気に便乗して現れた小泉さん。
私はいまひとつ好きな感じがしないのだけれど、まああの顔ぶれのなかではまあマシなのかな、なんて、お会いしてもいないのに勝手に批評したりするのが俗人の常である。

その小泉さんが脚光を浴びたとしたら、やっぱりどう考えても田中真紀子さんの応援演説しかないんじゃないかしらん。
とくに私のようなノンポリは、角栄節を引き継いだ真紀子節がおもしろい。
小渕さんが「おだぶつさんになった」なんていうブラックジョークを言っても、真紀子さんなら許せて、笑ってしまえる。
でも、そのおおらかさが「おじさん」たちにはむかつくんだろうな。

数年前、どんないきさつかは私自身も知らないけれど、私も政財界の重鎮が集まるパーティーに出席したことがある。
橋本、小渕、亀井、野中、小沢、みんないたと思う。それと、社員が5万人以上の企業の社長たち。
橋本龍太郎はまるで歌舞伎役者のようにエレガントに会場を歩きまわり、小渕さんはひたすら食べまくっていた。
私が挨拶した数人のなかで、小渕さんと小沢さんは熱心に話を聞いてくれ、小渕さんなどは名刺のうらに一所懸命メモまでとってくれた、なんてことをふと思い出した。政治家だからもしかしたらパフォーマンスかもしれないけれど「いい人そう」だったのはそのふたりだけだった。

「女性をバカにしている」というのがどういうことなのかというと、言葉ではなかなか表せないのだけれど、そういう「おやじ」はたくさんいる。
●SKの故O川会長、ナ●コのN村会長などもそういう印象を受けた。
実際はどうかわからないけれど、オンナの直感だ。
彼らは女性を「やる女」と「やらせない女」という分類でしか見ない。
あるいは「遊べる女」と「どうでもいい女」かもしれない。
しかしながら「やる女」という分類があるうちはまだよくて、「女=やるもの」という考え方のおやじたちもいまだに存在する。
まじめな話をしようとしてもハナから相手にするつもりはない、というような態度ありありなのだ。

そうしたなかで、私が知る先輩女性起業家の何人かは、文字通り「カラダを張って」その地位を築いている。
おやじたちにとって組みしきることができる女は女であって女ではない。ペットの一種である。(それはそれでいいけれどね)
でもペットはかわいい。
ペットになってもやりたいことができればいいじゃない、という生き方は、それはそれでいさぎよい。
●HKのK元会長の愛人だった女性などは、女性ならではの人脈づくりから外交の陰のフィクサーとして活躍し、その存在は一生表舞台には出なかったものの、息子がしっかりその人脈でベンチャービジネスを成功させていることは有名な噂である。(噂が真実かどうか、私は知らないが)

さて、組みしきられることをよしとしない「自分」を表現して生きる女というのは、なかなか風あたりが強いものだ。
真紀子さんの場合は、よくも悪くも親の七光りがいつもつきまとっていて、それがなければあそこまで言いたい放題、やりたい放題でサバイバルしていくことは難しいことだろう。
「オトコ」「オンナ」そんなことは関係ない、とかいいながら、特にオトコは結束する。
結束するオトコたちのなかで自分を貫くことがどんなに難しいことか。
そういえば、小池百合子、だったっけ? 彼女はどうしちゃったんだろう? キャスター時代はあんなに光っていたのに。
そして郵政大臣になった野田聖子さんもどうしちゃったんだろう?
政治家のおやじたちがしぶとく、しぶとく生き長らえているのに・・・

真紀子人気は当分続くだろうし、もしかしたらいつか将来、女性の総理大臣が誕生するかもしれない、なんてことを思わせるのが上手な人だ。
「私が責任を持って、正しい道を歩かせます」なんていう演説を聞くと、いったいどっちが偉いんだろうと思うが、かつてご主人だった田中なんとかさん(名前を忘れました)が新潟で立候補したときも「まきこと書かないで、●●(ご主人の名前)と書いてください。忘れた人は たなか でいいです」と演説していたことを思い出させた。
しかしながら、真紀子さんはこれまで常に自分が先頭に立つのではなく、脇でサポーターとして支える(かなり強力!)役目が得意だった。
となると、外務大臣はいいけれど、総理大臣にはならないほうが能力をいかんなく発揮できるに違いない。
秘書として有能な人が、かならずしもトップになって有能というわけではないのだ。
田中真紀子という人は、小泉純一郎というちょっととぼけた印象のパートナーがいてこそ光る。
そう考えると、今回の内閣はちょっとおもしろい。

さて、彼女の魅力は、激しくて、そして潔いところ。
親の影響は絶対あるだろうけれど、本質的なところではとても女性らしい生き方を選んでいる人に見える。
父を支え、夫を支え、そして国を支え、ある意味ではオトコにはできない露払い役を演じている。

「田中真紀子」と書くと政治家っぽく見えるが「たなかまきこ」と書くとちょっとかわいい。
そしてときたまちらりと見せる「たなかまきこ」の顔を見るのが楽しい。

余談ながら、千葉県知事に当選した堂本暁子さん。
油断すると「険しい顔」になってしまうお顔だちなのだけれど、テレビでは努めて「笑顔」で受け答えをしていらっしゃる。さすがもとマスコミ。
いつも鬼瓦のような厳しい顔ばかり見せている土井たか子さんと対照的な感じがする。
「笑ってる場合じゃないでしょう」という気持ちもわかるけれど、苦境を笑いとばせるタフな「肝っ玉母ちゃん」が日本を救うように思う。

で、たなかまきこちゃんに戻るけれど、人を惹きつけるスピーチにはいつも「笑い」がある。
ブラックユーモアや誹謗中傷はいただけないけれど、笑顔の自信に勝るものはない。
笑顔こそがなによりの財産だ。

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