噂の2チャンネル〜エイガアルってどうよ?

インターネットで本当に話題になっていたりアクセスが多いところは、実は「裏」ものであることは周知の事実なのだが、「裏」といってもアダルト産業ではなくて、業界裏話満載といえば「2チャンネル」という掲示板サイトである。
ここは「掲示板創出支援サイト」(?)としてマニアの方はもちろん、インターネットのヘビーユーザーで知らないのはもぐりじゃないかと言われるくらい、超有名。
まるでゴミのように小さな文字で、数千とある掲示板のテーマが網羅されており、世間で話題になっていることはもちろんのこと、話題になっていないことですら話題にしてしまっている「噂の真相」みたいな場所なのだ。

このサイトが有名になった事件としては、犯罪を起こした少年が事前に予告メッセージを書き込んでいたということらしいのだが、「週刊大衆」と「週刊実話」と「女性自身」と「東京スポーツ」と「週刊プロレス」を足して掛けて割ってまたいだくらい、虚実入り交じっているところがおもしろい、ような、怖いような。シロウトがなかなか足を踏み入れにくい秋葉原の電気ビルみたいな、あるいは香港の旧九龍城みたいな、そんなイメージなのである。

ここでは「ところで××ってどうよ?」というテーマで掲示板がたちあがり、全共闘世代が喜びそうなくらいの舌戦がくりひろげられたりするらしい。
「ここで話題になるっていうのは、有名人の第一歩だわねえ」と、ある日のこと、事情通のS子女史と2チャンネルの話となった。
「そうですね。自分でわざわざタレコミする人もいるらしいですよ」
「へー。ところで例の●モード事件のMM女史が例の会社辞めたとか、そういうのも話題になってる?」
「うーん、MM女史は出ませんね。女性企業で出てるのは、●フェ●ローブくらいですかねえ」
「へえ、それってどんな話題?」
「いやー、あそこは新入社員にかっこいい男を入れて、社長が食っているらしいとか・・・(笑)」
「しょえー! なんだか乏しい話題だわねえ。食ってても食わなくても、どうでもいいじゃないの(笑)」
「まあそうなんですけど、女性社長はあんまりおもしろい話にならないんでしょうねえ」
ちなみにS子女史はかつてあるサイトでWEBマスターをしていた時代に「S子ってどうよ?」と書かれた経験があるのだそうだ。
「へえ、S子ちゃんて、実はすごい有名人だったんだねえ」
なんだか「へえ」ばかり連発している私であった。

さて、このたび、たまたまひょんなことで、大阪の南條りかちゃんという起業家少女(若干20歳)と会った。
私自身20歳でフリーになり、人脈も金脈も実力もないところからスタートしたという経験から、どうも他人とは思えないものがある、と勝手に思いこんで、なにか応援してあげたいなあという気持ちになってしまった。
思えば娘みたいなものである。
このりかちゃん、いろいろあって「2チャンネル」では大人気なのだ。
もとつっぱりとか、バックの会社がねずみ講だとか、話題に事欠かないらしい。
そんなりかちゃんのおかげで、A−Girlもやっと2チャンネル・デビューした。
「エイガアルっていうのはまともな商売してるらしい」とか、
「社長は<淳子通信>とか読むと、まあ多少はものを考えてるらしい」とか、
書き込んでいる方たちもなにかと勉強してくださっているようで、恐縮至極だ。
めちゃくちゃほめてくれてるわけではないけれど、それなりに「まあ、ちゃんとやってる会社らしい」と認めてくれてる人がいるんだなあと思うだけで、ほーんと、嬉しくなるよ、私は。

私は昔は雑誌の記事を企画し、書く側にいたのに、いつのころからかインタビューされる側になり、また講演など引き受けてしまえば、こちらが知らなくてもあちらが知っているというところで、好かれたり、嫌われたりすることがあるようになった。
素人(?)のころは、好きと嫌いはあくまでも面識がある個人対個人の問題であったのに、経営者になったら、会ったこともない人に感謝されたり、非難されたりするようになった。
それがストレスにならないといえば嘘になるが、なるべくあるがままに受け止めようと努力するようになった。
経営者が目立つことはいいことなのだ。
世の中、どんなにがんばっても認知されない企業がたくさんあるなかで、零細企業でありながら誰かの話題になるなんて、すごいことじゃない?って思おうと努めている。

ところで、2チャンネルのようにたくさんの掲示板をユーザーがどんどん創出していくシステムっておもしろいと思う。
「A−Girlで女の子版2チャンネルみたいなの、やりたいね」と言ったら、社内で猛反発をくらった。

「何が書かれるかわからない」
「匿名性だからいいのだけれど、その分怪しかったり危ない書き込みが多くなり、管理できないし責任の所在が不明確になる」云々・・・

そうかなあ。

私は「メディア=コミュニケーション」だと、マクルーハンに教わる前から考えていた。
しかしながら、インターネットにおいては「コミュニケーション」は無意味ではないだろうかと考える。
「2チャンネル」のような掲示板サイトも、一見コミュニケーションするためのコミュニティなのだが、実は単なる「言葉の配信」というデジタルなツールでしかないのではないだろうか。
つまりそこではセックスもアダルトも無機質なデジタルビットでしかないと同様に、会話も誹謗中傷も単なる単語の羅列でしかないし、さらに言えば、光の点でしかない。若い感覚のユーザーたちはそれを知っているからこそネットにはまり、バーチャルなネットアイドル(コンピュータグラフィクスのテライユキなど)に「はまる」のではないだろうか。

うーん、うまく説明できないな。

ともかく、ネットの世界に「悪いこと」なんてないと思う。
なぜなら、すべてが「悪いこと」につながっているから。
なにをしてもいい無法地帯だし、そこにマナーやルールを持ち込むのはおかしい。
ジャングルの奥地を歩くときに、未開の地に住むどう猛な野獣に法律は有効だろうか。
私って実はラディカルなのだ。
著作権管理の仕事をしているけれど、個人的には「権利を守る」なんていうのはナンセンスだ。
著作権とか、特許とか、権利とか、そういうものがないのがネットの世界なんだと思う。
だから怖いし、だからおもしろい。
「2チャンネル」の情報は正しいか、正しくないかなんてことはどうでもいい。
あやしくていいかげんなところがいいのだ。
あやしいこと、あぶないことを避けてはいけないんだよなー、ほんとうは。
もっともっとあやしいことをやれるのがインターネットなんだから。

ということで、話が多少ずれたけれど、2チャンネルに「淳子通信」とりあげてくださったみなさま、ありがとうございました。これからもどうぞよろしく。

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