シルバースター
ン1996-1999.Toshio OKADA all right reserved.
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 シルバースターはキャプテンウルトラの基地。マジンガーZで言えば光子力研究所、ガンダムで言えばホワイトベースのようなメカである。衛星軌道上にぽっかり浮かぶシルバースターの上部ドームが開くと、宇宙船シュピーゲル号が発進して、ストーリーは始まる。まさにシルバースターこそ、TV特撮番組「キャプテンウルトラ」のシンボルだった。
 キット自体のデキとしては、特撮に実際に使われたミニチュアを「マルサン特有の」としか表現できない、あの微妙なディフォルメで処理している。このディフォルメが、60年代メカ特有の、クールな銀色なのにまるっこい、という味を出している。 付属のレールを部屋いっぱいに張り渡す。リモコンのスイッチを入れると、電動のシルバースターは、張り渡したレールにぶら下がって、ロープウェイのように「ジー」という耳障りな音をたてて動き始めた。もし、子供の頃にこれを作っていれば、両親にうるさいと叱られながら、何十回でも電池が無くなるまで遊んだだろう。その時の僕なら、まわりにあるタンスや鴨居や天井の羽目板などは目に入らず、キットの向こうには、東映撮影所の広大なホリゾントの星空が見えていたに違いない。
 しかし、僕はマルサンのキットを、シルバースターを楽しむにはあまりに老いていた。絶版キット業界の先輩たちが「マルザンのシルバースター?笑えるよぉ」と言った気持ちが今は良くわかる。
 このキット、マヌケなのだ。
 レールをぶら下がって動くキット。そのリモコンスイッチを押しながら、一緒について歩く僕。もう誰が見てもマヌケな姿なのだ。
 やっぱ絶版キットというのは、「作らずに眺めるもの」なのだろうか?僕は人生最大の疑問に悩みながら、シルバースターの後をついて歩くのだった。



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