プロテュース号
ン1996-1999.Toshio OKADA all right reserved.
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| SF映画のメカニック・デザインには、不思議と国民性が現れる。『サンダーバード』などイギリス製作品に登場するメカは、いかにも実用的で油の匂いのする、使い込まれている機械というデザインだ。 それに対して、1950〜60年代のハリウッド製SF映画のメカは、「強く豊かなアメリカ」という国民性を反映している。それを要約すれば「合理性を追求した曲線」と「目を見張る贅沢さ」ということになるだろうか。 この場合の「合理性」とは、単純に役に立つという意味ではない。あのアメリカ特有の合理的デザイン、たとえばハーマン・ミラー社の椅子みたいなもので、見るからに「人間工学など最新科学を反映して、合理的に設計しました」という斬新な曲線のことだ。「う〜ん、こんな椅子に座ったら仕事だってさぞかし楽しくなるだろうなぁ」という、豪華さを兼ね備えた合理性、それがアメリカン・メカニックの魅力である。 さて、この模型はアメリカの黄金期、1966年に製作された『ミクロの決死圏』(20世紀フォックス)に登場する原子力潜航艇「プロテュース号」である。このプロテュース号、とにかくでかい展望窓、スクリューの見えない推進システム、そして何よりもその純白なボディは「科学の最先端素材プラスチックで、私は出来ています」と主張し、見事に合理性と優雅さを兼ね備える事に成功している。 当然、キット組み立てもこれらの「合理的な曲線」と「豪華な展望窓」を生かすことが必要になってくる。しかし中身は、いつものマルサン製キットの例にもれず、何やら白いパーツがびよよよ〜ん、と入っているだけ。このままストレートに組んでしまうと、自慢のでかい展望窓から電池やギヤボックスまで丸見えになってしまう。 そこでプロモデラーの田中雷さんに、「映画通りにコクピットも作ってちょ」とお願いした。「改造したら資料にならないかな?」という気もしたけど、やっぱりアメリカンなメカは、その長所を生かして組み立ててあげるのが正しいのだ! |