『東大オタク学講座』
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第六講 オカルト概論
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ここでは「真のオカルトとはなにか」とか「オカルトとはそもそもラテン語で『隠す』という意味であり、隠された知恵を指し示すもので云々」みたいな話はしません。テーマは「オタクとしてどのようにオカルトと付き合うか」です。つまりオカルトというジャンルに対する「オタク的な見方」を身につけてもらおうということです。……前列でノート取ってる君、そんなの真剣に取る必要ないってば(笑)。 オカルト世界は大まかにいって、「UFO」「心霊」「陰謀」「超科学」に分類できます。もうジャンル名を口にするだけで笑っちゃうよなあ(笑)。 オタクのポジションとして、こういうのを「ない」って言い切っちゃうのも馬鹿みたいですよね。オタクというのはある意味、普通の人たちより頭よくて当然みたいなところがあるわけですから、スタイリッシュにいきたいわけですよ。信じるでもなし、信じないでもなし。「おいおいホントかよ」という感じで、突っ込み入れるような視線を向けて、どんどんイヤ〜な奴になっていきたいですよね(笑)。僕の話は聞けば聞くほど友達が減ること請け合いですから、覚悟して聞いてください。
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UFO いまの学生さんたちは年代的にあまり知らないかもしれないけど、一昔前の少年雑誌には月に一〜二回は必ずUFO特集があって、UFOの分類やら「私は空飛ぶ円盤に乗って火星に行った」とか「金星に行った」とか「宇宙人に挨拶した」とか、すごいのになると「土星の輪っかの上に街が建設されていて土星人はそこに住んでいる」とかとんでもないことが書いてあったわけです。もちろん子供の頃の僕はそれをマトモに信じていたわけですよ。 UFOや宇宙人の正体についてはいろんな説があがっていて、大体次のようなものがあります。
この二つは一番基本的なタイプですね。
かなりキちゃってます。不思議なパターンです。
これは僕の知ってるだけで日本に一〇人以上います(笑)。
地底人説はいまだに根強いですね。南極と北極に直径三〇キロくらいの穴があいていて、地球のど真ん中が空洞で中心部に地底太陽があるという説。なに言っても勝手ですけど、これをマジに信じてる人が世界には数万人単位でいるわけです。
霊魂だとかオバケだとかゴブリンだとか鬼だとかが正体だと主張してる人も結構います。
最後は一番単純な説(笑)。 とりあえずメジャー↓マイナーの順で並べてみましたけど、全体的に肯定派が多く、真っ向切ってUFOをインチキだと断定する本はほとんど見かけません。オカルト系出版に力を入れている徳間書店とか、でくのぼう出版とかのを探してみても見当たりません。ピンとこないようだったら神田に書泉グランデという大型書店がありますので、そこの二階を覗いてみてください。UFO関係のがわりと充実していて、の半分がいい宇宙人系、続いて悪者系、神様系となってるんですが、否定派は大槻教授が一人で頑張ってる感じです。
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インターネットでのUFO情報 ネット上で得られる情報のうち世界的に有名なところといったら、ぶっちぎりで「IUFOG」ですね。ここのインデックスはすごく充実してるんですよ。辞典形式になっていて、「A」の「ジョージ・アダムスキー」から始まって様々な語句が並んでおり、クリックすると詳細な説明が出てくるサイトです。UFOやってる人にはおなじみの語句が並んでますね。ちょっと見てみましょう。 ○ケネス・アーノルド
○キャトルミューティレーション
○コンドンレポート
○メン・イン・ブラック
○ミッシングタイム
○マジェスティック12(MJ−12)
○エリア51
○三大コンタクティー
○UFOはなぜわれわれを魅了するのか
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心霊現象 ノストラダムスの予言とか祟りとか占い、こっくりさん、宜≦ぎ≧保≦ぼ≧愛子さんの霊視などです。 正直言って、オタクとしてこのジャンルにどのように接するかは、ひじょうに難しい問題なんですよ。UFOに関しては笑うにしても信じるにしても否定するにしても、各人ごとにそれぞれのスタンスの取りようがあるんですけど、心霊現象はちょっとプライベートな部分がありますからね。「自分にはこういう経験がある」とか「自分はそういうのはいだ」とか、好きいのレベルで決めるしかない感じなんですよ。 たとえば僕も所属してる「と学会」の『トンデモ本の世界』があるでしょう。UFOとかオカルトの本を紹介してみんなで大笑いするという意地の悪い内容ですけど、その「と学会」の会長である山本弘さんは、この手の心霊現象を完全否定してます。「会長、心霊をバカにしてて、もし死んだ後に身の丈二〇メートルの閻≦えん≧魔≦ま≧様に『なめてんのか』って言われたらどうします? 僕は速攻で頭下げますよ」と言ったら、「いや、俺はそういうの信じてないから」と(笑)。それがすごい力強いんですよ。「もしあったらどうするんだなんて言われたって、俺は認めない」って、ここまで行けたらオタクとして一流ですね。
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陰謀 陰謀系の話題は大体以下のものに分類できます。 ○フリーメーソン
○ユダヤ
○薔薇十字軍
○ニャントロ星人
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超科学 超科学といっても、厳密には「超科学」と「擬似科学」の二パターンに分類されます。 一応科学的な用語で説明を試みるものが「超科学」。「科学用語」ではなく「科学的な用語」というのがポイントです。つまりミノフスキー粒子とかが超科学なわけですね(笑)。対して「擬似科学」の方は、最初から論理的説明を放棄しています。たとえばいきなり天使を出したり(笑)。でも天使系の盛り上がりは最近すごいんですよ。天使系の人に「天使ってなんなんですか?」と質問すると、なんの説明もなしにいきなり「いるんですよ、ここに」で終わりですから(笑)。 地球空洞説も一〇〇年くらい前までは超科学だったんですよ。地球のど真ん中に太陽があって中に人が住んでいて恐竜まで生き残っているという、すごい面白い説がたくさん出てたんですけど、最初はもっともらしい論拠や考証があったものの、途中からみんな説明を諦めてしまいまして、「とにかく空洞なんだよ、空洞!」と、めでたく擬似科学の方へ移行してしまいました。 「聖書根本主義=ファンダメンタリズム」も要チェックですね。先ほど「アメリカ社会ではキリスト教の力が弱くなってきている」と説明しましたが、それとは逆に「聖書の解釈を根本的なところからやり直してみよう」という動きがあるわけです。つまり「七日間の天地創造とか、聖書に書かれているのは全部本当のことである」という説ですね。神様がこの世界を創造したのが紀元前何万年であるだとかを特定して、それ以前の化石は試作品みたいなものなんだとか、「聖書はメチャクチャ正しい!」と主張しているのがファンダメンタリズムなんです。 ちなみに世界一有名なファンダメンタリストはレーガン元大統領。だから彼が大統領になったとき、アメリカの知識人たちは本当にビビッたんです。ソ連を悪の帝国だと決めつけてSDI構想を発表するわ、核戦争準備を整えるわという、とんでもない人ですからね。それで「もうすぐ西暦二〇〇〇年がくるというのにまだハルマゲドンが起きない」とイライラしてたんでしょう。もう、レーガンが大統領になった当時は、全米の根本主義者が「早く核のスイッチ押せ〜!」と燃えてたようで(笑)、彼が大統領の座を退いたとき、知識人たちは心底ほっとしたでしょうね。 ただ、恐ろしいことに、聖書根本主義者は全米人口の三分の一以上もいるんですよ。オウム事件で「新興宗教はカルトだから危険だ」と言われてましたけど、実はキリスト教とかユダヤ教とか仏教といった古くからある伝統宗教だって、コアな部分で変なモノを抱えてるんですよ。そのコアでピュアな部分がストレートに吹き出してしまうと聖書根本主義になってしまうんです。 最近のトレンドとして「波動」も見逃せません。サンマーク出版というところが最近、波動の本をボコボコ出しまくってます。「物にはすべて波動があり、その波動に気を込めれば云々」というなんかよく分からないシロモノなんですが、これは「コンサルタントの神様」と呼ばれる船井幸雄さんが中心になっているムーヴメントでして、東証一部上場企業の経営者クラスには波動信者が増加中だという話ですから、もし就職試験でこの話題を振られたら適当に話を合わせてくださいね。まちがっても「私も波動を信じてます」とか「波動エンジンというのがありまして」だなんて言わないように(笑)。
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超能力 超能力も一応超科学に属するジャンルです。これに関してはちょっと微妙なんですよ。いまのところ、超能力の存在を実証するためのデータがほとんど出ていない状態なんです。 現段階で超能力肯定派のもっとも大きな拠り所になっているのは、一九六〇年代に行われた「ライン博士の実験」というものです。ESPカードってあるでしょう。星、波、三角など数種の図形が描かれたカードですね。これを用いた実験で、ライン博士は被験者にカードの図柄を当てさせる実験を行い、「超能力は存在する」との結論を出しました。 しかしこの研究報告には発表直後から様々な反論が寄せられているんです。たとえば「二つのサイコロを振って、超能力で一のゾロ目を出す」という実験をするとしましょう。計算でいうと一のゾロ目が出る確率は三六分の一ですね。よって三六人以上の被験者を集めれば、一斉にサイコロを振ったうち、理論上最低一人はゾロ目が出ることになるんですけど、ライン博士の実験ではこういった確率論的な考えが取り入れられていなかったんです。 こういう確率論的な盲点というのは、ユリ・ゲラーもよく利用してました。超能力特番でユリ・ゲラーがアメリカ中の視聴者に「サイコロを五つ同時に振ってください。この目が出るように私がテレビから超能力を送ります」などと言いまして、指定されたのと同じ目を出した人が番組へ興奮しながら電話かけてくるんですけど、アメリカ中の視聴者にサイコロ振らせれば、最低五人や一〇人は指定の目を出す人がいて当然ですよね。そのごく当然であるはずのことを、さも超常的なことであるかのように大ゲサに喧伝するのがユリ・ゲラーの演出というか、トリックでした。実際、七〇年代までの超能力研究ではこのような「確率論的、統計学的な裏づけを取る」という基本的事項が無視されがちだったんです。基礎研究が足りなかったんですね。 超能力業界でもっとも有名な人物といえば、このユリ・ゲラーとランディーの二人です。ユリ・ゲラーは最近「マインド・ベンダー」という肩書きを使ってるんですよ。「心を曲げる人」。この人、スプーンだけじゃなくて心も曲げられるんですね。もう一方の大御所であるジェイムズ・ランディーさんはもともとアメリカの手品師だった人物で、「エンターテイナーであるマジシャンから見れば、トリックを本物だと偽っているエセ超能力者など許し難い卑劣漢である」と、超能力ハンターみたいなことをやってるんです。いまアメリカで一番有名なお爺さんです。この人はユリ・ゲラーの公演を追っかけて彼がスプーン曲げを披露したその場で挑戦状を叩きつけることを長い間やってたんですが、ケンカが尾を引いてこの一〇年くらいユリ・ゲラーVSランディーの間で訴訟合戦が続いています。もちろんランディーの方が勝つんですけど、ゲラーの方もなかなか根強い人気があるんですよねえ。この問題、もう少し掘り下げてみます。 これはユリ・ゲラーのHPですね。個人サイトだなんて、ずいぶん生意気なもん持ってます。このマークがいいでしょう。曲がったスプーンをデザインしたマークで、なんかビジネスコンサルティングみたいな仕事までしているようです。いまやユリ・ゲラーは実業家なんですね。スプーン曲げの実演なんて年に一度くらいしかやってなくて、最近は超能力を利用したビジネスコンサルティングで儲けるという恐ろしいことになってます。 だいたい、彼の超能力って基本的にトリックなんですよ。たとえば心の中に思い浮かべた図形を当てるなんて超能力があるでしょ。その場合、「単純な図形を思い浮かべてください。単純な図形の中にもう一つ別の図形が入っているものを考えるんですよ。ただし四角形とかほんとに単純なものは除外しましょう。さあ思い浮かべましたか? ではこれから超能力でその図形を当ててみせます」なんて具合にネタを振るわけです。図形の中に図形が入っていて、しかも四角形以外で単純なものとか言われたら、たいていの人は「三角の中に円」か「円の中に三角」を思い浮かべるでしょう。当然ですよね。とっさに菱形や正十二角形を考えるひねくれ者はそうそういないんですから。しかしこれをテレビで見てあっさり騙される人がすごい多いんですよ。それで「私、三角に丸が入ってるのを考えました。当たってますよ、すごい!」と素直に驚く人がいて、ユリ・ゲラーが「これが超能力です」と言いながら腹の中で笑ってるわけです。 こういうトリックを、ランディーは一つ一つ実に鮮やかに暴いていくんですよ。そりゃあケンカになるのも当然ですよね(笑)。 僕はこのジェイムズ・ランディーっていう爺さんがもう、好きで好きで(笑)。皆さんもぜひランディー爺さんのファンになってください。 さて、ランディーの方も「ジェイムズ・ランディーの一万ドルチャレンジ」というえげつないHPを開設しています。内容は、「超能力が存在するってんなら俺の目の前でやってみせろ。本物だったら一万ドルやるよ」という挑戦的なものです。サイト内には契約書がちゃんと記載されていて、「トリックが使えないよう以下の条件で行うこと」とか「一度セッティングしたものには手を触れてはいけない」とかの細かいルールがずらりと並んでいるんですよ。 ちなみにこの一万ドルはランディーの個人出費でして、企画の元ネタとなったのは一九八四年あたりにテレビ放映されていた『ランディーの一〇万ドルチャレンジ』という生番組です。ランディーはこの番組で有名になりました。生放送で毎回毎回「占星術師でも超能力者でもいいし、オーラが見える奴でもいい。俺がトリックを見抜けなかったら賞金一〇万ドルだ」という、豪快な番組なんですが、そりゃもうすごい視聴率だったんですよ。全米からチャレンジャーが集まってきました。 一番最初にチャレンジしてきたのは占星術師。ランディーとチャレンジャーはまず観客の中からランダムに一二人の客を選びます。グルになってるサクラがいないよう配慮されてたのは当然ですね。占星術師はその一二人に対して二言三言の質問をして全員の星座を当てるわけで、半分以上、つまり七人当てれば「本物」と認められるというルール。さあ結果はどうなったかっていうと、なんと一人しか当たりませんでした(笑)。まずは初回からランディー大勝利です。 次に現れたチャレンジャーは、オーラを見ることができるという女性。「面白い。ほんとにオーラが見えるんならこんな実験はどうだ?」とランディーが考えたのが、「衝立の向こうに人がいるかどうかをオーラで探知する」という実験です。たしかにオーラを感じ取れるんなら、衝立の向こうにいる人だって知覚できるはずですもんね。これも五割以上の正解が勝利条件となっていたんですが、その女性は四割も当てられなくて、結局負けてしまったんです。「オーラが見えるかどうかは知らんけど、勝負には負けたよな」とへこまされてしまいました。 三人目のチャレンジャーは「相手の持つESPカードの図柄をピタリと当てる」という超能力者。カードを二五〇回透視する実験を行ったところ、正解確率は二五〇分の五〇。ESPカードの図柄は五種類で確立五分の一ですから、確率的にまったく意味なしでした。 向かうところ敵なしのランディーですが、彼の名が広く知られることになったもう一つの原因が「アルファプロジェクト」です。 ワシントン大学の関連施設でミズーリ州に「マクダネル超心理学研究所」という、軍用機メーカーのマクダネル・ダグラス社が五〇万ドルの巨費を投じた研究所があったんですよ。超心理学=パラサイコロジーが専門で、テレパシーや透視、テレキネシスなどのESP全般を総合的に研究するんです。この施設ができたとき、ランディーは研究所スタッフあてに一通のレポートを送りました。 「おい。イカサマ超能力者どもがおまえら科学者を騙すときに使う典型的な手口を教えてやるから、引っかからないよう注意しろよ」みたいな内容だったんですけど、せっかく親切に忠告してやったのに、科学者たちは封筒を開けもせずに、未開封のまま返送してしまったんですね。しかも「俺たちはサイエンティストだ。手品師の助言なんざ聞く耳持たん」という侮辱的な手紙がそえられていまして、当然ながらランディーは烈火のごとく怒ったわけです。 それでランディーがどんな仕返しをしたかというと、これがまた壮絶なんです。まず一七歳と一八歳の弟子を用意しまして、その研究所に被験者として送り込みました(大笑)。研究所では一万二〇〇〇人の候補に超能力テストを受けさせて、見込みのある人材を被験者に採用してたんですが、素人の中に見習いとはいえ本職の手品師が紛れ込んでるんですから、二人の弟子は楽々と選別試験をパスして、「超能力の資質がある有力な被験者」として潜入しました。 それでマクダネル研究所の学者たちは何も知らないまま、バカにしてたランディーの弟子を三年間テストすることになったんですよ(大笑)。五〇万ドルの費用を注ぎ込んで手品師に三年間も騙され続けてた(笑)。かれら二人の弟子が使った手口というのがまた実に簡単というか人をバカにしたようなもので、たとえば「封を開けずに封筒の中身を透視しろ」なんて言われたとするでしょ。その場合どうするかというと、「ちょっと集中してきます」とか理由つけて一人になり、ドライバーでホッチキスをこじ開けるんです。中身を読んだら再び元どおりにして、それで「透視できました」とか騙すんですよ。 普通は引っかからないでしょうけど、超心理学者って根が善良なもんですから、「人間が嘘をつく」という発想がないんです。そんな単純にホッチキスこじ開けるようなことはせんだろうって考えちゃうんですよ。どうせトリックを使うなら、X線とかそれっぽい手段を使うだろうって感覚だから、裏をかいてローテクで簡単に切り抜けられてしまうんです。 他にも「ガラスケース中で、羽毛が針の先に乗せられている。この羽毛を念力で動かせ」なんて課題があったんですが、これももちろんローテクで対処。念力込めるふりをしながらちょっとだけガラスケースを持ち上げて、そっと息を吹き込むんです(笑)。そんなことも知らずにテレビのレポーターが感動して、「私はいま奇跡を見ています!」(笑)。絶対外から操作できないよう細工されたデジタル時計を狂わせるって実験では、やはり「集中してきま〜す」とカフェテリアに出かけて、買ったサンドイッチの間に時計挟んでレンジでチン(笑)。意地の悪いランディーはそういうのを全部記録して、三年間ずっと我慢してたんですね(大笑)。 一九七八年から三年間、この二人の弟子は全米中で人気者になりまして、いまや知らない人がいない超有名超能力者と呼ばれ、世間の騒ぎがピークに達したところで、さあ、われらがランディーの登場です。得意満面で記者会見開いて、「嘘だよ〜ん!」(爆笑)。しかもランディー、未開封で送り返されたアドバイスレポートを三年間大事に保管してたんですよ。記者会見でランディーはその封筒を取り出し、取材陣の前で封を切りました。公開されたアドバイスレポートに書かれていた「科学者が騙されやすいトリックの手口」というのは全部、二人の弟子が実際にやってたことばかりだったんです。 「ほら、弟子たちは俺が言ったことを実行しただけだよ。ほんとに騙されただろ?」と、そりゃあもう得意げでしたね。結局マクダネル研究所はランディーのせいで閉鎖されてしまいました(大笑)。この一件によりアメリカの超心理学研究は二〇年遅れたともいわれていて、こういう粋なことしてくれるから僕はランディー大好きなんですよ。
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超科学の極北 さて話を超科学に戻します。 これ以降はあえて名づけるなら「私は偉い系」というジャンルのものですね。常温核融合もある意味このジャンルにハマってしまいました。この系統は「私は永久機関を発明した」と言いながら、なぜ今まで永久機関が開発不可能だったのかといった既存事実の考察をまったくしないんですよ。とにかく発明したんだというところから始まって、その経緯について「いまの学会は云々。東大エリートがどうした」っていきなり人生論語りはじめてしまって、収拾つかないんです。 「相ま(相対論はまちがっている、の略)」も同じパターンですね。従来の相対論研究に対する考察をすっ飛ばしていきなり「光速に近づくほど宇宙船内の時間は進み方が遅くなるというが、違う速度で反対方向へ飛ぶ二隻の宇宙船が同じ場所へ帰ってきたらどうなるんだ」とかなんかズレた反論して、それで論破した気になってる。 あと「タキオン」も怪しいですよねえ。このあいだタキオン下なんてのが売ってるのを見ましたよ。SF大会の会場ではタキオンシールも売ってました(笑)。「SF好きな連中ならこういうアイテム買ってくれるだろう」って考えだったんでしょうね。純真そうな営業マンが「このシールを貼ったコップで水を飲めば、タキオンパワーが体に取り込まれて効果抜群です」と説明してて、それ聞いた学者やら博士やらが「なんでなんで」と目を輝かせて(笑)。その営業マンは偉かったですよ。適当な超科学説明とかせずに、一言「企業秘密です」で切り抜けてましたから(笑)。 ドクター中松も「私は偉い系」でしょう。先日「と学会」でドクター中松の特許出願書類のコピーを見たんですが、その中でも特にすさまじかったのが、豪雪地帯用の除雪機の発明でした。どういうものかというと、原子力発電所の下に超巨大なキャタピラを履かせるんですよ(大笑)。原子炉の膨大な熱エネルギーによって雪を溶かすらしいんです。そこにちょっとメモが書いてあって、「放射能処理がちょっと問題」(大笑)。豪快ですよねえ。全長一キロにも及ぶ原子力発電所が放射能と熱を振りまきながら移動するんですから。 次は「人体の不思議系」。サブリミナルとか遺伝子とかオーラ、気功、血液型といったジャンルです。このへんになるとどんどん危険になってきます。 「科学的である」ことと「信じる」ことはまるっきり別物です。この手のもので先日いいアイテムを発見しました。「痩せるサブリミナルCD」というものです。こいつの広告がいいんですよ。CDの中に「ダイエットするぞ」って言葉が、耳に聞こえない音で入ってるんです。「五〇分間の音楽中にナレーションを三六〇〇万回挿入しました」と書いてありますが、計算すると一秒間に「ダイエットするぞ」が一万回ですね(笑)。そんなもの可聴音域を超えて数百万ヘルツのレベルに達してますから、人間には絶対聞こえませんよ。そんな耳に悪そうなCD聴いてどうする(笑)。これも結局は科学とか理屈じゃなくて、「五〇分間に三六〇〇万回」と言われた途端に信じたい気分になるという類の商品ですよね。 「オーラ」や「気功」もそういった系統でしょう。気功に関しては、人間を気でふっ飛ばす「外気功」はガセだろうという説が主流です。ただし気で治力を高めたりする「内気功」については「なにかしら影響や作用があるんじゃないか」と言われていて、いまのところ半々というところです。 「人体の不思議系」で最近一番の流行は「遺伝子」ですね。「人間の男女は四年で離婚する遺伝子がある」なんてとんでもないことを竹内久美子さんがおっしゃっていますけど、これも超科学に入る論説だと思ってまちがいありません。
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UMA UMAとは「UnidentifiedMysteryAnimals」の略。古くはネス湖のネッシーとか屈斜路湖のクッシーとかですね。今でもヒマラヤのイエティやアメリカのビッグフットなど、さまざまな未確認生物がいて、これらを総称してUMAと呼ぶわけです。 インターネット上でもUMA情報、とくにビッグフット情報は大変充実していて、専門のリンクや研究サイトも存在しています。この画面はビッグフット関連サイトリンクのHPの一部なんですけど、ビッグフットの足跡石膏型を二九ドルで通販してるってのがポイント高いです。 この中でセンスいいなあと思ったのが、このサイトのデザインなんですよ。アイコンがビッグフットの足跡になってるでしょう。リンク集のうちビッグフットの存在に否定的なサイトへのアイコンには「進入禁止」の標識みたいなデザインがされていて、こういう細かいところの気の遣い方が、なんか余裕を感じさせてくれていい感じですよね。
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超古代文明 オカルトの最後は「超古代文明」です。大体の分類として「失われた大陸系」と「偽史偽書系」の二パターンがあると思ってください。 「失われた大陸系」というのはアトランティスとかムーとか、あとちょっとちがいますけどバミューダトライアングルとかのジャンルですね。太平洋にはムー大陸が、大西洋にはアトランティス大陸があって、それぞれ現代社会よりも進んだ超文明を持っていたというんですから、昔の地球というのはエキセントリックなところです(笑)。 「偽史偽書系」ってのは、「天皇家編纂の日本神話群とは異なる、別系統の隠された古代史」というもので、『竹内文献』などですね。一見まっとうなものに見える史書も読み方によってはオカルト世界への入口と化す場合があります。この手のものでこの間「邪馬台国はエジプトだ」というすさまじくいい味出してる本を読ませていただいたんですけど、日本の偽史偽書は数種類の説をブレンドしたようなものがありますね。『竹内文献』によれば天皇家はムー大陸と関係したらしいだとか、そういう組み合わせが多いんですよ。 『竹内文献』は信憑性を疑う声が多いようです。神代文字という、日本独自の古代文字で記述されていて、いま出版されているのはこれを漢字仮名混じり文に書き換えたものなんですけど、超古代の文献で、当時鉄道があったわけがないのに「脱線」なんて表現があるんです(笑)。他にも説明のつかない個所が多数あって、明らかに明治大正以降に編纂されたらしいんですよ。 ムー大陸の研究も相当怪しいです。チャーチワードという人がインドでムー大陸の記録を発見したのは一九二三年のことなんですが、調べてみるとその年、チャーチワードさんはほんの一六歳なんですよ。一六歳のときに仕事でインドへ渡って、ラマ僧から「我が寺で長い間隠し続けてきたものです」とその記録を見せられたそうですけど、いくらなんでも一六歳のガキにそんな大切なモノを見せますかね。 メディアがこの手の話題を扱うとき、「突っ込める部分」にはまったく触れずに、無理やり信じる方へ信じる方へと話を持っていって、「竹内文献があった!」とか「ムー大陸があった!」とかの情報だけを出し、専門家も信じてない部分はカットしちゃうんです。 オカルトをオタク的に楽しむためには「本当にそうかいな」という冷静な判断を忘れないように心がけ、「疑いながらも楽しむ」スタンスを保つようにしたいものです。
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