岡田斗司夫のオタク日記
2001年02月01日〜02月14日
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2月 その1


1日(木)
 あさってには札幌に行かなくちゃいけないけど、まだ風邪が治らない。まさか今からキャンセル、というわけにもいかないので、とにかくひたすら寝る。
 額田さんより「新潟県柏崎原発の取材OKが出た」という連絡。をを、ついに原発を取材かぁ。
 合コン依頼のメール。以前にDJ界のカリスマ・DJコウ氏と対談したときに「リクルート社の綺麗どころのお姉さんたちが合コンを希望している」という話があったけど、ついにその果たし状メールである。でも今回の日時は都合があわなかった。残念。


2日(金)
 風邪は、ほぼ治った様子。
 いしかわじゅん氏から『だってサルなんだもん』の解説を書いてくれ、とのメール。ああ、先月に頼まれてたけどすっかり忘れてた。いしかわさんの文章は好きなので「面白いよ」とは書けるけど、解説なんて何書いたらいいのか。
 京都の花園大学文学部から講演依頼のメール。同じ依頼が夏目さんとこにもいってるらしいから、BSマンガ夜話を見ての依頼、ということか。5月中旬〜7月中旬の土日、ということなので引き受けることにした。


3日(土)
 日航519便で札幌へ。BSマンガ夜話札幌公開録画のための旅行である。本番は明日で、今夜はホテルに泊まるのみだ。機内から見る夕焼けはものすごく綺麗だった。(写真下)


 札幌はものすごい上天気だったけど、めちゃくちゃ寒い。最低気温が零下14度だという。
 まだ風邪が辛いので飲み会は休ませてもらい、ホテルでさっさと寝る。無理を言ってダブルベッドの部屋をとってもらったら、これがビジネスホテルにしてはとてつもなく豪華な部屋で驚いた。特に巨大な窓のバスルームは気持ちよく、さっそく風呂に入る。



4日(日)
 朝、NHKスタッフからモーニングコールで起こされた。カーテンを開けると今日もどピーカン。
 会場のZeppSapporoへ。楽屋で昨年の札幌合コンの三浦さんたちと一年ぶりの再会。舞台を下見すると美術スタッフがセットの裏で寝ている。徹夜の作業だったんだろう、ご苦労さん、と思ったけど彼らは結局本番中もセットで寝ていた。大胆だなぁ。
 オンエアする第一部、質疑応答の第二部、そしてなんでもアリの第三部と盛り上がったけど、やっぱりだだっぴろい会場は疲れるね。
 収録が終わるとやたら疲れていたので、ディレクター氏に頼んで航空券を交換してもらって、今夜中に帰ることにする。
 打ち上げはすすきので鍋を喰い、急いで雑炊までかきこんで千歳空港へ。オミヤゲ売場で味噌ラーメンを買って事務所へ帰る。しかし空腹にガマンできず、その味噌ラーメンをさっそく食べてしまった。とほほ。


5日(月)
 「フロン」の草稿を数名の女性モニターに送信する。さて、評判はどうかな?


6日(火)
 オンライン書店のbk1で『バカのための読書術』を注文する。書店に行くのは好きだけど、目当ての本があるのならオンライン書店の方が便利なような気がする。なんとなくタイトルや装丁を見て本を選びたい、というのはやっぱり本物の書店に叶うものはないんだけどね。


7日(水)
 東京タワー下の芝スタジオで、BSフジ「コンテンツファンド」の収録。今回はクリエイターに当たりが多く話が弾んで助かった。「才能がないと思ったらボロクソに言ってくれ」と頼まれているけど、本当に出来の悪いものを見たらやはり言葉を失ってしまう。「作品性は高いけど商業性の低いもの」だったらそりゃ楽なんだけど、実は作品性と商業性は対立する概念ではない、というのは先月も日記で書いたよな。


8日(木)
 日本のスーパー戦隊ものパロディ「フランスV」を作り続けているオタクなフランス人ピロ・アレックス氏からメール。フランスV第二話の制作は順調で、今夏には完成する予定だそうだ。ああ、早く見たい!
 ぶんか社から青木光恵氏のマンガ単行本の帯コピー依頼。以前に青木先生から直接頼まれていたのでお引き受けする。


9日(金)
 朝から上越新幹線で新潟県長岡→在来線で柏崎へと向かい、念願の柏崎刈羽原発を取材する。
 ルポは今回の連載でも書いたけど、とにかくオミヤゲ売場はイカンよ!もっと科学なもので埋め尽くさなければ!ワシントンのスミソニアン航空宇宙博物館やパリのラヴィレット科学博物館など、オミヤゲ売場は科学玩具やポスター、書籍やCD−ROMで溢れてると言うのに。
 唯一、原発っぽいのがこの「制御板絵はがき」と「制御板テレカ」。同ポジ!
 思わずヤケクソでこんなものまで買ってしまった。


 頼むから原発のオミヤゲ売場で米を売らないで欲しい・・



10日(土)
 集英社のパーティーから女性マンガ家の集まりへ流れる。以前に聞いたO先生アシスタントの恋の行方を聞くためだ。ネタにしないという約束なので、この話はここまで。


11日(日)
 動く模型オフ会だったけど、とにかく「フロン」を優先させる。リテイクの出た第一章と七章をあげるのみだけど、今回は「徹底して女性向けの文体」を意識してるので、なかなか苦しい。
 「女性向けの文体」というのはなにかというと、常に自分(著者)の立ち位置を明解にする文章のことだ。たとえば「育児本にはこんな種類がある」と書いたら、これは男性向け。女性向けには、この事実を受けて自分がどう感じたかを書かなくてはいけない。
「私は今まで育児本というのは○○だと思っていたけど、実は△△だったから驚き、正直な話、ちょっと不愉快になった。なぜかというと・・」という具合だ。
 男性向けの文章はこういう主観を抜いてもいいから、つい知識をひけらかすような威張った文体になりがちで、また読者もそれを望んでいるからラクチンでたいへんによろしい。しかし女性向けで「威張る」というのは最悪だ。常に「なぜ自分はこう思ったのか?」と自問自答しながら書かなくてはいけないので、女性向けの方が知性を要求される、と僕は思う。


12日(祝)
 コミケ申し込みの締め切りが今日だった。あわててサークル説明カットの指示をする。
 あとはひたすらフロンのリテイク作業。
 夕方、和美宅で夕食を作る。娘から一足早いバレンタインチョコをもらって、さっそく食べる。


13日(火)
 ブロスの最終回を入稿する。いま、TVブロス誌編集部はとんでもなく面白いことになってるみたいだ。
前編集長が異動→男の子が大好きな新編集長体制が発足→ブロス誌面内で編集者・ライターを募集(それも連絡先は新編集長の携帯)→今までの編集者から大ブーイング、あわや*ー**ー→編集長からいきなり誌面刷新と連載打ちきり宣言、という流れ。
 まぁ無事に掲載されるみたいだからいいけど、最終回原稿の「いらない連載を赤ペンで消して連載売り込みをした編集者」というのが伏せ字で消されてしまった。単行本ではちゃんと「鳥居さん」に戻さなくては。
 ヤフーオークションで小池一夫原作マンガ「さよなら岸壁先生」「ノストラダムス愛伝説」に入札。「人間動物園ズウ」も欲しいなぁ。


14日(水)
 新宿まで押井守監督の『アヴァロン』を観にいく。


 唐沢俊一氏が日記で「天才の天才による天才のための映画」と評していた意味を、おもわずしみじみと噛みしめてしまったぜ。冒頭20分の出来はとにかく感動の嵐。「やっぱ押井は天才だ!」と再確認するけど、中盤にいつものごとく眠くなってしまった。「ああ、天才ならぬオレのための映画ではないからな」と納得しかけたら、後半30分がまた面白い。いっそ最初+最後の30分づつで1時間バージョンを公開してくれたら、私たち凡俗にはちょうどいいんだけどなぁ。
 和美からバレンタイン・チョコケーキをもらい、さっそく食べる。そのまま和美宅で仕事を続け午後10時、ついにフロン完成!海拓舎の原田さんに無圧縮のテキストメールで送る。
 あ〜、終わった終わった!


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