岡田斗司夫のオタク日記
2001年04月16日〜04月30日
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4月 その2


16日(月)

 東京タワー下のスタジオで「BSフジ・コンテンツファンド」の収録。その後、疲れはてて昏睡してしまう。


17日(火)

 武藤・和美会議。「人生テスト」の4タイプ分類を、12タイプに分ける件に関して議論沸騰。


 東芝のF氏たちとロトさん来社。しかし議論疲れでまともに喋れない。ああ、ジジイだよオレは。
 夜、寝ようと思ったらいきなり和美から研究発表メールが届く。 

「本気は妄想系王様だ。王様タイプのマンガなのに、やたら暗いと思ってたけど、これで謎が解けたゼ!」

 元気なねーちゃんやのう。


18日(水)

 久しぶりに遠出して、お昼は巣鴨の古奈屋でカレーうどん。美味しい!行列してまで喰う価値のあるカレーうどんって?と疑問だったけど、こんなに美味しいならオッケーだ。
 和美の妄想研究メール、どんどん届く。

その1
 ホットロードって学者のマンガだったんだ。職人のマンガにしてはヘンだと思ってたんだよね。大人社会への批判といったメッセージもないし。(母親への不満も、個人的なモノだし)すごい才能のあるキャラクターも出てこない。
 でも「学者タイプ職人より」の恋愛マンガだとしたら、合点がいく。好きという感情の前に、なすすべもないカンジ。好きなんだけど、相手には自分と違う世界がある。だからこそ好きなんだけど、その距離を縮められない切なさが描かれてるんだよ。あれには。
 好きという感情と相手との距離、が「学者の恋」のテーマなんだな。私がモロに感動するわけだわ。言葉にすれば、こんなに好きなのにどうしたらいいかわからない、になるんだけど。
 紡木たくの次の作品「瞬きもせず」がやたら長くてたいくつなワケもわかったよ。「七夕の国」現象だね。とほほ

その2
 「学者タイプ軍人より」は「ファンシーダンス」ではないかと思う。
 岡野玲子は、軍人タイプのマンガ家と思ってたけど、あのバブルの描き方は、乾いてる。本気で「金持ち」とか「ブランド」とかを信じてない臭いがするよね。そうでなかったら、出てくる金持ちはみんなかっこいいハズだし・・・
 ファンシーダンスで描かれてる「恋」も、問題は「距離」なんだよ。ヨーヘーくんと真朱さんは、その距離を意識しながら「踏み込むまい」とブレーキをかけてる。
「先に踏み込んだら方が負け」だからじゃない。「相手の世界がわからないから、踏み込めない」のだ。
 相手にはかっこいい自分しか見せたくない。
 でも、縮まらない距離がもどかしい・・・
  こういう恋もあり。
「学者タイプ職人よりの恋」よりも、大人な恋に見えるけどブレーキききすぎってカンジもする。

その3
 学者の恋、ど真ん中は、「川原泉」
 これも「男女の距離」が問題なんだけど。この場合は、距離を認めて、深く考えず受け入れる。
 食欲魔人シリーズみたいに「やたら食いしんぼう」の男を、「あれはとにかく食いしんぼうなだけ」と理解し、受け入れる。そうすると、淡々とした恋愛になるわけ。
 学者が、恋愛している人を外から見ると、「魔法陣グルグル」になる。ククリちゃんと勇者さまみたいに、勝手な妄想でお互いがすれ違ったまま。
 とにかく、恋愛を「男との女の理解しがたい主観世界の差」と捉えるのが学者なのです。それを切なく思うか。もどかしく思うか。そんなもんと受け取るか・・・
 それで位置がかわるわけです。

 ご静聴ありがとうございました。

 あ、あついねーちゃんだぜ。


18日(水)

 渋谷で松原2号と待ち合わせ。モー娘。事情を取材する。
 夕方、「クローズアップ現代」に生出演。しかし事前の打ち合わせとリハーサルでほとんど喋る内容は限定されたので本番の僕はまるで「しゃべる自動人形」であった。



19日(木)

 今月末に江戸川河川敷で「家庭犬訓練大会」がある。そこまで車で犬を運ぶ折り畳み式のケージを探しにホームセンターへ行く。うちのバカ犬にちょうどのサイズは673×886×733ミリ。しかしAクラスの後部は座席を外しても620×900×900ミリ程度しかない。どうしよう?


20日(金)

 一度は断った「フロン」の前書き、書けそうな気がしてきた。下書き作業をはじめる。


21日(土)

 砧のTMCスタジオで「タモリのジャングルTV」の収録。(写真下右)
 登場シーンで回転台に乗せられ廻される。人間、何事も経験であるなぁ。



22日(日)

 日記の下書きをはじめるが、乗らない。気分転換に近所の古書店へいく。をを、今のマンガの買い取りはこうなってるか。しかし一番人気が「ふたりエッチ」とは、侮りがたし克☆亜紀。(写真下左)



23日(月)

 引越以来の疲労が溜まって動けない。
 夕方、和美宅でカーテンレールを取り付けてステーキを焼く。
 今週末の訓練大会にそなえてブレッド(犬)のテストをしたら、さっそく脱走しやがった。訓練不足を責めたら静(娘)は泣きベソ。しまった、嫌われる・・。


24日(火)

 雨が近いらしい。気圧が下がって体が動かなくなる。
 前書き、とにかく夜中にあがるけど、あんまり面白くない。


25日(水)

 気圧変化でやはり体が重い。
 和美宅で夕食を作る。今夜は冷凍ポテトの牛肉巻トマトソース煮とキャベツサラダ。作り方は簡単。

・牛肉の薄切り八〜十枚に軽く塩コショウ
・冷凍のフレンチポテト二本に牛肉を巻き付け、小麦粉をまぶしてフライパンで焦げ目をつける
・トマトの水煮缶半量をその上からあけて、塩コショウで味をととのえ、ぐつぐつと汁気がなくなるまで煮る。

 夕食後、またもやカーテンレールの取り付け。


26日(木)

「人生テスト・恋愛版」を和美と会議。前作の4タイプから12タイプへの変更は上手くいったけど、各タイプ別の相性、特に同タイプ同士の相性が、データが少なくて難航。考えてみれば「王様同士」「職人同士」などの同タイプ恋愛は期間が短いので実例も集めにくいなぁ。ところでこういうタイプ別の人間関係や恋愛について「私と彼は同タイプなんですけど、ダメってことでしょうか?」とか聞かれることがあるけど、「○○という傾向にあるので注意」としかいえない。現実の人間関係は膨大なディティール(好き嫌いだけでなく利害や立場など)で形成されているので、同じタイプだからすぐに別れるとか対角線上の関係なので安定してる、とかは占いではないので言えないのだ。


27日(金)

 新宿マイシティのカフェで青林堂の社長&ガロの編集長と会う。用件は「フロン」にねこじる氏のイラスト使わせていただいたお礼。先方からマンガをデジタル化するにあたっての権利交渉(というか仲介)みたいなことを頼まれるけど、ちょっと僕にはあてがないかなぁ。

 場を変えて「BSマンガ夜話」の座談会。キネマ旬報社から出ている単行本も10冊を越えたので、記念座談会。いつもは司会進行の大月隆寛氏がよく喋るので見とれる。

 和美宅で夕食。いよいよ明日は江戸川河川敷で、犬の訓練大会である。今夜はそのイベントに参加するかどうかを決める最終チェックなんだけど、静が「やっぱり辞めるよ」と決意を述べた。「どうしても首ヒモを外すと脱走するし」ということで、携帯用の檻は買わなくてすむし、朝早くから慣れない新車とカーナビで江戸川まで行かなくてすむしほっとする。でも訓練大会は面白いし、静にもいい経験なのは確かだから、やっぱり残念だ。
 さて、それでは連休前の金曜の夜をどうすごすか?ということになって、一家揃ってマンガ喫茶へ。11時過ぎまで無駄な時間をすごす。


28日(土)

 午後四時過ぎに事務所に帰ると、ほっとする自分がいる。いつの間にか一人でこの事務所にいるときがいちばん心がやすらぐようになっている。以前は「家庭は心の安らぎ」と考えていたけど、その家庭でも現実的には僕はいつも書斎なり一人になれる環境にこもったり、と一人になりたがっていたもんなぁ。
 風呂にゆっくり入って本を整理して、次に書く本のカードを作ったり、一番楽しいことばかりをする。


29日(日)

 明日は大阪出張なので準備をしていると、柳瀬くんから「こんなの知ってますか?」とメールが来た。毎日新聞からの配信データだ。

「タイタニック」の監督が、宇宙での撮影構想を発表

◇タス通信によると、映画「タイタニック」などで知られる米国のジェームズ・キャメロン監督が28日、宇宙での撮影構想を発表した。ロシアの「ソユーズ」で国際宇宙ステーションに飛び、船外にも出てドキュメントと火星旅行映画を撮影する予定だ。
◇ただ、米実業家の宇宙飛行をめぐる米露対立で、交渉は中断している。監督は近く米露当局者と話し合い、早ければ2、3週間後にも契約を結ぶという。
◇ゴーサインが出れば、監督は約1年半、特訓を積み宇宙に旅立つ。うまくいけば数年後には世界初の「実録版・宇宙映画」が見られそうだ。 【モスクワ石郷岡建】
毎日新聞4月29日雑記帳より

 キャメロン、やるなぁ!「タイタニック」でオタク路線も卒業か、と思わせてついに火星映画、それも宇宙で実際にロケですか。なんかもうこいつの人生、面白すぎて何にも言うことありまへんわ。「羨ましいか?」と聞かれるとビミョーに返事に困るけど。
 実際の宇宙空間でSF映画の撮影、というアイデアは別に目新しいものではない。映画「アポロ13」ではロン・ハワード監督は、
 無重量シーンの撮影を自由落下する飛行機内、つまり本物の無重力空間で撮影した。ヒューゴー賞を受賞したSF小説にも、たしか火星までハリウッドの映画会社がロケにいく話があったはずだ。え?ひょっとしてそれの原作権を押さえたのか?
 そういえばもう20年近く前に「スピルバーグとルーカスがスペースシャトルの民間人用チケットを予約!」っていうニュースが流れたけど、結局どうなったのかなぁ。


30日(祝)

 大阪伊丹ホールでトークイベント。(写真下)

 今回は初心者向けのオタク入門講座である。イベント終了後、「6月の花園大学講演にも行きます!」という人が多くて困った。だって同じ内容の予定なんだもん。

 残ってくれた観客の方相手に「新型・人生テスト(恋愛バージョン)」の話や、「フロン」がらみの話など。オタクな話に興味のある人は恋愛話なんかイヤかと思いきやみんな熱心に聞き、そして語ってくれる。

 打ち上げの席上でもスタッフたちと恋愛話になりまた盛り上がる。そうか、みんな恋愛話はおっけーなんだね。オジサン、走っちゃうヨ!



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