岡田斗司夫のオタク日記
2001年11月01日〜11月15日
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11月 その1


1日(木)

 昼前に起きて、和美と吉祥寺のブックスルーエで待ち合わせ。ミスドでアンパンを朝食代わりに食べる。しかしここで、新たなる「ムフ〜ンおじさん」に出会ってしまった。ムフ〜ンおじさんとは僕が勝手に命名した吉祥寺近辺を徘徊する老人で、なぜか歩きながら「ムフ〜ン、ムフ〜ン」と独り言を絶やさない。なぜか僕のひいきにしている喫茶店に出没して、その激しい独り言で場をさらってしまう。今回はその新型「傍若無人タイプ」に遭遇した。新型はミスドのレジに並んでいる僕の前に強引に割り込み、お姉さんに「いつもの!」と吐き捨てるように命じた。もう僕もお姉さんもびっくりだ。ここまであからさまなマナー違反も珍しい。さらに追い打ちをかけるように「早くしろバカ野郎!」ときた。お姉さんが「いつもの。ですか?」と聞くと「いつも飲んでるだろうが、このバカが!」とにらみつける。
 すごい。「最近の若者は」とかいう人も多いけど、最近の老人の壊れっぷりはもっとすごい。
 コーヒーを自分の席まで運ばせた新型爺さんはそれからたっぷり20分、その世界に関する怨念や憎悪を不可思議な調べに乗せてつぶやき続けた。いわば、ポリティカル・シンガーソングライター?
 新型が退場後、ミスドで「恋愛の取説」ゲラチェックはじめるが、すぐ眠くなって挫折してしまう。早い目の昼食を松坂屋地下のうなぎ屋で済ませて、事務所で昼寝する。ちょっと元気が出たので井の頭公園を散歩しようと思ったけど、わずか15分で挫折。呆れ果てる和美と別れて茶店(サテンにあらず、チャミセである)でぼんやりとすごした。
 夕食は新規開拓を決意して、東急裏の「八百家」へ。これが当たりで「ネギ入り卵焼き」など、とにかくどれも美味い。しいたけとエリンギの串焼きや、岩海苔たっぷりのとろろご飯など腹一杯食べて二人で八千円だった。
 東急裏のタリーズコーヒーは屋上に上がれるけど、さすがにこの季節は寒くて空いていた。ああ、いい季節になったなぁ。
 今夜でマンガ夜話今シーズンも終わり。「ハートカクテル」のイラストから作ったセット、やっぱりヘンだよな。写真見てもらっても、おそらく読者の皆さんにはなにがなんだかわかんないと思うけど、写真とった僕ですらなにがなんだかわかんない。すまん。



2日(金)

「30独身女」と「恋愛の取説」に関して、編集の武藤さんからスケジュールが届く。

5日(月) 30独身(再校)・トリセツ(3章・初校)岡田チェック完了
    カバーのラフ完成
6日(火) 30独身(再校)・トリセツ(3章・初校)戻し
トリセツ(1・2章・再校)完成(↓ムトウが確認・戻し予定)
8日(木) 【カバー入稿】
9日(金) 30独身(3校)・トリセツ(1・2章3校、3章・再校)完了
11日(日) 30独身(3校)・トリセツ(1・2章3校、3章・再校)岡田チェック完了
13日(火)赤了
30日(金) 見本出来

 証拠としてここに記しておこう。これよりはじまるであろう「火の七日間」のために(哄笑)
 明日のロフトイベント「オタクアミーゴス」の準備にやっと入れる。今回の僕の目玉はタイピングソフト。その他、モラー社スカイカーなどのビデオを編集する。


3日(土)

 新宿ロフトプラスワンで「オタクアミーゴス」のトークショー。アミーゴスとは僕と作家の唐沢俊一さん、ゲームクリエイターの眠田直さんの三人で作っているオタク系お笑いユニットで、活動をはじめてもう5年になるだろうか。今日は昼夜の二部制に分けたけど、それでも両方とも整理券は出払っているという。今回は昼の部に、TVブロスコラムに『ライオン丸』事件で登場した内藤さんと橋本さん、それに河野姉妹という美女軍団を桟敷席に案内した。
 夜の部はリクルート社合コンの佐々木さんたちやアスキー担当編(元)の浜田さん、「ウォッチ・ア・ゴーゴー」の森田さんに、おまけに「だめんずウォーカー」の倉田真由美さんなど、これまた美女ぞろい。帰って2ちゃんねるで確認したら、やはり「あの美人はなんだ?」という話が出ていた。ふはははは、羨ましいか小僧ども!
 しかし鬱気味をむりにはしゃいだため、打ち上げも早々に帰って寝る羽目に。ああ、情けない・・
 あ、そうそう。これが倉田真由美さんね。


 噂通り美人だったけど、周りの女性を「幸薄そう」「男運が悪そう」と品定めするのが怖かったです。


4日(日)

 武藤さんからしょっちゅう電話
 のどの奥にイヤな感じが・・
 風邪か?せめてあと4日、もってくれっ!


5日(月)

 ライコスの恋愛相談、催促メールが来た。柄にもなく恋愛相談を受けているんだけど、もう質問だけでおなかいっぱいになりそうだ。

●私には現在10年も付き合っている年上の彼がいます。そろそろ結婚してもいいかなと思っていますが、彼は私がまだまだ子供だからと言って結婚について全然真剣に考えてはくれません。そんな悶々とした日々がしばらく続いたある日、私は飲み屋である男性と知り合い、彼への当てつけの意味もあって、その男性と会うことにしました。よくないとはわかっているのですが、その男性と会うたび、その男性のことが頭から離れなくなっています。一度はその男性のことを忘れようと決別したのですが、しばらくたってから、その男性から電話がありました。その男性にも彼女ができたみたいですが、どうして今ごろ私に電話をかけてくるのかわかりません。でもその男性とうまくやっていきたいという気持ちは押さえることができません。このままでは10年付き合った彼を裏切ることになりそうでとても不安です。
●上手な別れ方ってありますか?好きかどうかわからない人だったら別れたほうがいいですよね?

 どないでしょうか?それぞれ目の前で正座させてセッキョーかましたいんですけど。特に二番目。「好きかどうかわからない人だったら別れたほうがいいか?」ってお前、自分が好きかどうかもわからん相手と付き合ってんのか!? 
 和美宅でお好み焼きを作り、「プラネテス」を読もうとしたらそのまま寝てしまう。


6日(火)

 娘が風邪で学校、お休み。つられて一家全員、昼過ぎまで寝る。
 和美と三越一階のダロワイヨへ。サンドイッチを食べて次回作の企画などするけど、なんかボルテージが上がらない。
 外を散歩しようとしたら寒くて挫折。古本屋をうろうろした。


7日(水)

 「恋愛の取説」、ゲラのチェックがまだ続いてる。こないだのスケジュールは夢幻か?武藤さんと電話でやりとりで一日が終わる。


8日(木)

 朝、巨大なメールが来たと思ったら、2冊の本の表紙案だった。

  

 朝から和美を明大前の医者へ送って、漫画喫茶で頭を休める。
 午後から事務所でメールチェックして、からだがだるくて昼寝してると武藤さんにたたき起こされた。また表紙のチェックだ。
 今度は「30独身女」の表紙チェック、午後6時から次のチェック、落ち着かないことこの上ない。二冊同時刊行で、違う本でありながら統一感を、という難しい指定にデザイナーの吉崎さんも苦しんでいるようだ。
 小鴨さんより合コンの誘い。条件は「未婚男子、面白くて貧乏、深夜に4〜5人集まれる癒し系の男、時期は一月後半」とのこと。まかせてちょうだい。


9日(金)

 秋葉原で海洋堂のフィギュアを買い物。しかし何よりの収穫は飛行機ラジコン専門店の店頭にある注意書き。


 ああ、オタク業界、どこへいってもオタクは同じ!そうか語っているか初心者相手に偉そうに。模型店ではデザートザクを知らない中学生を嘆き、アニメショップではFSSの掲載を確認せずにニュータイプを買うビギナーを嗤う。それでよし!それでこそオタクよ!
 午後からオタキング事務所でhm3鼎談。今回はゲストが眠田直氏だったので楽々の進行。鼎談後、3階のロケットを見せるとさすが山本さん、気づいてほしいポイントに全部喜んでくれる。うへへ。


10日(土)、11日(日)

 地獄の底からの声で武藤さんから確認の電話→回答、といったルーチンで過ぎていく。


12日(月)

 夕食に串カツを作る。初めてのソーセージが好評で嬉しい。
 しかし揚げはじめてしばらくすると武藤さんから電話。なんだかシチュエーションコメディに出演してるみたいな気がしてきた。


13日(火)

 晴れ。風が冷たく、絶好のカレーうどん日和。夏前にまさかの敗北(臨時休業)を喫してよりはや5ヶ月。ついに巣鴨の古奈屋でカレーうどんを食べる日が来たのだ。寝坊したので到着はちょうどお昼時。もう並ぶ並ぶの30分。断っておくけど僕は食べ物で絶対に10分以上並んだりしない。これもひとえに「前回の屈辱」を晴らすためなのだ。1600円のカレーうどんは美味かった。
 夕方からダイアモンド社「zai」の取材。持ち家についての意見など話すけど、なんか経済誌の人ってちょっとノリが違う。軍事・経済・政治関係の人に言えると思うけど、「世界をそれ中心に認識したがる癖」があるみたいだ。つまり「なんやかんや言っても、最後にモノいうのは金(兵器またはコネ)ですわ」みたいな世界観かな?このあたりは僕の偏見という可能性が高いので、まだまだウオッチ続けようっと。
 夜は「宇宙からのメッセージ」上映会。


リクルート社美人OL、女子大生、DJ関係者など美女やさえない男たちとピザ喰って煎餅かじって、「スターウォーズ」ブームに便乗して東映がでっちあげた怪作SF映画の鑑賞会である。やはり見所はレーザーで撃たれてもトンボ切って倒れるJAC(ジャパンアクションクラブ)の戦闘員か。そういえば「ゴジラ対キングギドラ」でも米軍の艦砲射撃受けた旧日本兵がトンボ切ってたなぁ。


14日(水)

 日経ウーマンの取材後、bk1から届いた宇宙開発マンガを読む。同じ宇宙開発モノでも、「プラネテス」は面白く読めて、でも「ムーンライトマイル」はなんとなく苦手感がある。主人公の「男らしさの証明」で、売春婦を二人同時にイカせたり、とかそういうおっさん臭い描写がなぁ。なんか「酎ハイれもん」とかのホモ臭い臭いがするんだもんな。
 夜、やっと「ハリーポッターと賢者の石」を読み開始。


15日(木)

 娘の授業参観。「国際情勢」というテーマのはずが、なぜか先生から出た議題は「無人島で3年間生きていくのに必要なものを十コあげなさい」だった。各班に別れて児童たちの討論が続き、やがて発表の時間になると「食料」「水」「調理器具」などの答の他に「ゲーム」「友達」など意外な回答に笑ってしまう。しかしこの授業、ここからがすごかった。
先生「では皆さんの書いた『絶対に必要なリスト』をもう一度見てみましょう。食料、水、毛布、薬、ナイフ、電気、図鑑。どれも『生きていくために絶対に必要なもの』としてみなさんが考えたものです。そのどれもが、みなさんの周りで当たり前のように売っていて、いつでも買うことが出来ます。
ところで、いま世界には百九十〜二百近い国があります。そして、そのほとんどの国では、いま皆さんの書いた『生きていくために絶対に必要なもの』が手に入りません。買おうにも売っていないのです。そういうことを『どうしてだろう?』と、これからみなさんと考えましょう」
 見事!!こんなに面白い授業ははじめて見た。


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