岡田斗司夫のオタク日記
2002年7月16日〜7月31日
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7月 その2


16日(火)

 知り合いから「就職活動に失敗した」というメールを受け取る。彼に「就職なんかせずにライターになれ」と忠告したばっかりなので、これはなんとか編集者に売り込んであげなければいけない。
 まぁ僕よりは才能もある人だし、なによりまだ20代前半という若さなので、ライターとして喰っていくことぐらいはできるだろう。しかし彼を「こういう人生」に引き込んだ責任というのは、あるのかな?
 僕は「自分への責任は、他者には移譲し得ない」という考えなので、あんまり悩んだりしないけど、これが唐沢俊一さんのように責任感の強い人なら、あとあとまで面倒見たりするんだろうなぁ。
 夜、アマゾンコムから取り寄せたDVDボックス『キャプテンスカーレット』を見る。


 『サンダーバード』を作ったスタジオがその翌年、さらにリアルさを目指して作ったSF人形劇だ。ところがこの人形、あまりにリアルすぎる。あの『サンダーバード』が持っていた模型的というか手芸的な楽しさが、スタッフの頑張りすぎでかえって見えにくくなってしまったのだ。
 パッケージの写真を見ても、ちょっとピントが甘かったら本物の人間と見分けがつかない。「なにごとも程々」という言葉があるけど、まさか特撮番組にも程々があろうとは。


17日(水)

 今日は同人誌カラー表紙入稿の日。今回は4種類を同時に作るのでカラー表紙も4種。それぞれ「フルCG」「パロディ」「デザイン優先」と趣向が違うので、当日4冊並んだ効果が予想つかない。





 それより問題は売り場である。いままでの持ち込み最高記録は2年前の夏、「超オタク!」という120ページの本を千冊、搬入したことだ。前年度の80ページ同人誌「未来玩具」五百冊と合計で千五百冊。これを幅わずか120センチのテーブルとその下と自分の座席の後ろの空間に積み上げなければいけない。この時は搬入した本で王座みたいな椅子を作って、その上に直に座って売ったよな。
 しかし、今回はそれどころではない。四種類の同人誌、そのうちの一冊は五百ページ以上ある。それが各千冊。いったいどこに並べて、どうやって売ったらいいのか見当もつかない。
 おそらくブース内に巨大な壁を作って、僕はその前でレリーフみたいに壁の中に半身を埋め込まれて…、などと妄想が拡がる。
 いや、妄想を広げる以外、いったいどうしろというのか。コミケまであと四週間、とにかく少しでも痩せて、その体積分だけでも在庫を入れるスペース空けなくちゃ…


18日(木)

 「オタクの歩き方」原稿UP。今回はエキスポタワーで、やけに気合いの入った内容になった。こういうのを書いてしまったら、もう三日は他の仕事ができない。
 ある秘密掲示板にて「セックス一回当たりの単価計算」という話題が出た。発言者によると「セックスの単価を計算すると、彼女を作るより風俗に行った方が安上がり」だと言う。ずいぶんまえに額田さんとも同じ内容を話したけど、たしかに時間的・精神的コストまで勘定に入れると風俗の方がコスト安かもね。


19日(金)

 夕方からダイエット会議。いよいよ明日から本格的なカロリー制限に入る。


21日(日)

 NHKでラジオ出演して、その後にテントへと走ってマンガ夜話公開収録。
 収録は合計で2時間弱。オンエア版が1時間なので半分に編集される。
 今回から新アシスタントとして佐藤江梨子さんが入ったけど、なんか調子が狂う。アシスタントではなく、自分を「タレント」として扱って欲しそうなのだ。


22日(月)

 今日からバイトで女子が入った。
 今まで(必要以上に)男らしいと言われていた我が事務所であるが、ついに柳瀬君が女子バイトを雇う、という快挙を成し遂げたわけだ。
 では僕の周囲は少しは華やかになったか、というと何の変化もない。バイト嬢は柳瀬君の部屋にこもりっきりで、僕のいるリビングには朝夕の挨拶時しかこない。
 柳瀬君に聞いたら、あの狭い部屋で二人っきりで、本当に黙々と働いているそうだ。
 「独り言を言えないのがストレスなんすよねー」とつぶやく柳瀬君。美人女子大生と同じ部屋で勤務しながらも、出てくるセリフは「独り言がいえない」ですか。
 男です。漢らしすぎます。


23日(火)

 新宿で某社の某事業についての会議。久しぶりに岡野キャプテンに会って、パニック症候群について聞く。会議内容はここではナイショ。


24日(水)

 来月の女性限定オフ会について、幹事のけろさんと会議。


25日(木)

 今度は「等身大ドカベン」という商品が出るそうだ。等身大・綾波に、等身大・森雪。ここまではわかる。「欲しいか」と自分に聞かれると困るけど、欲しい人がいることは知ってるし、別に驚かない。男のリビドーの行き先は、そいつだけが知っている。それでいいんだと思うからだ。
 しかしドカベンだ。しかも等身大。値段だって安くないだろう。シャレや冗談で済む金額とも思えないし、どこに置くのかも問題だ。飽きて捨てるときだって困るだろうに。
 夜中にそっと、吉祥寺南町の水島邸まで捨てに行く奴、きっといるだろうな。
 夜は新宿でちょいとわけありの合コンに参加。しかし喉の調子が悪いので早い目に帰らせていただく。


29日(月)

 午後から来週のマンガ夜話打ち合わせ。しかし「ぶっせん」「星のたてごと」はどうでもよくて、おもわず「空手バカ一代」の話ばかりしてしまう。


 このマンガ、とにかく第一話の出来が素晴らしい。いきなりヘミングウェイの引用から始まって、原作者・マンガ家そろいぶみで「このマンガは虚構ではない、真実だ!」と言い張る見開きへと繋がって、次にナイフと拳銃を突きつけられた主人公イン・ニューヨークという場面展開。まるで図解を見ているような一瞬の格闘シーンと、そのリプレイで読者の度肝を抜き、夜の街から白昼のシカゴ野球場へと場面転換。
 あああ、原作も作画も、素晴らしすぎる!この面白さ、すさまじさを来週、TV生番組で語り尽くすことができるのだろうか?


30日(火)

 米アマゾンコムから「謎の円盤UFO」DVDボックスが届く。
 日本では年末頃の発売らしいけど、きっとそっちも買ってしまうんだろうなぁ。



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