16日(祝)
久しぶりにお好み焼きを作る。以前の僕なら「一人暮らしでお好み焼きなんて、効率悪い!」と考えていただろうけど、実はあんがい便利である。
まず、一人分しか作らないので焼くのが簡単。数人分を焼くためにはホットプレート出したりたいへんだけど、自分一人ならフライパンで充分だ。
次に「余り物とか適当に入れても、誰も文句いわない」ということ。冷蔵庫の中で食材が古くなるほど自炊の気力をそぐものはない。多少すっぱくなったキムチだろうがしなびかけた春菊だろうが、とりあえず入れて焼いたら美味しくなる。
粉とか水とか卵とかの分量、いい加減でオッケー。何枚も焼こうと思ったら、それぞれの出来を均質にしよう、とかつい考えてしまう。でも自分用なら、最悪ひっくり返すの失敗してもぜんぜんかまわない。
結局、今日は昼、夜と2回もお好み焼きを食べてしまった。
17日(火)
朝から吉祥寺・サンロード商店街の床屋で散髪。カットではない、散髪である。入り口の自販機で1980円の散髪券を買って、とにかくバリカンで刈り上げたがるオジサンを制して前髪をカットさせようが、やはりこれは「散髪」である。それが証拠に、洗髪・顔そりまでやって全部で30分弱。カットハウスなら80分はかけてるよな。
今日はアエラの取材、といっても僕ではなく和美。その後は井の頭公園で白鳥型ボートに乗らされた。それも雨の中。これってあきらかにヤラセだよなぁ。
夕方、中野で額田さんと会って、そのままブロードウェーの「まんだらけ」へ。島本和彦の『逆境ナイン』を探したけれど見つからなかった。
帰りに吉祥寺サンロードのブックス・ルーエで『週刊・中世を作ろう』を買う。しばらく前からTVで宣伝していて、欲しかったのだけどついに買ってしまったのだ。しばらく週に数時間はこれに費やすことになるのだろうか?
TBSラジオからの出演依頼あり。
18日(水)
吉祥寺通り沿いの外国家電と、マルイのボディショップを覗く。外国家電というのは、デザインに優れた海外の家電品(トースターとか扇風機、掃除機など)を日本で使えるように電気周りなどを改造して売っているお店。ジェネラル・エレクトリック製の大型冷蔵庫が銀無垢でカッコよかったけど、さすがに買う勇気が出なかった。
午後からまた、アエラの撮影。今日は事務所の台所で一人用の食事を作っているのを撮られる。
唐沢さんの日記に登場する「相模大野の焼き肉屋」に猛烈に行きたくなったのでメールした。すぐに返事が来る。来月に連れて行ってくれるそうだ。嬉しいなぁ。
19日(木)
明日は和美の誕生日だけど、お互いの都合で一日早い誕生日デート。吉祥寺で一番高価いしゃぶしゃぶ屋・月亭で夕食をとって、駅ビルロンロンに新しくできたケーキ屋でケーキを9個買って帰る。
早く食べた!と叫ぶ娘を制して、まずは和美が一個づつ試食する。「これはもういいわ」と下げられたケーキを、僕と娘が取り合って食べる、というわけだ。なんか外国の教科書に載っている「間違った日本紹介」みたい。『一番偉い父親が食べ終わるまで家族は待っていて、その食べ残しをありがたくいただく』とかいうやつね。
もちろんこれが絶対的な関係だったらイヤかもしれないけど、単なるゲームなので僕も娘も楽しくてしかたない。
20日(金)
光文社新書「海洋堂の発想」を読了。
とにかくなにより、専務の生い立ちが面白い。僕と同じく模型大好き少年なんだけど、なんせ家業が模型屋、それも天才型の芸術家である父親が経営する模型屋の一人息子である。昔は「僕もこんな家に生まれたかった」とか考えたこともあるけど、あらためて一代記として読んでみると、そういうレベルの話ではない、と実感した。しかし、天才の息子というのも辛い。
中学の卒業記念に何かイベントをと思い、館長の故郷、高知へひとりサイクリング旅行する計画を立てました。ところが、それを聞いた館長が「それならわしも行く」と言いだしたのです。
「おいおい、お父ちゃん。ぼくはひとりで行きたいんや。なんで息子のドラマでも主役になろうとするんや」
ぼくはため息をつきました。(本文40Pより)
いやぁ、たいへんですなぁ。僕もいいかげん、ひらめき型の父親には振り回されたけど、この父親にはかなわないわ。しかし、同世代にこんな面白い奴がいて嬉しいなぁ。
夕食は娘の作る。「肉団子と野菜の煮物」「キュウリ、トマトとカッテージチーズのサラダ」。味も見た目もよろしい。合格である。
21日(土)
いよいよ「週刊・中世を作ろう」を作り始める。これが中身の一覧。
第一週〜十週までで完成させるのは「ロマネスク様式の教会」である。右に見えるペーパーモデルみたいなのを組み立てて、これを基礎代わりにしてその上に石造りのレンガを貼り付けていく。
まず、必要なのはバラバラに入っていたレンガを大、中、小に仕分けすること。ピンセットでレンガをいじりながら完成までの道のりを妄想するときが、模型作りで一番楽しい瞬間かもしれない。
22日(日)
hm3から出る単行本のゲラチェック。すさまじく面白い!
特に海洋堂・宮脇専務の発言が、おとつい読んだ海洋堂本の100倍、面白い!膨大な注をひたすら書き続ける。ああ、早く「中世を作ろう」もやりたいのに、面白すぎてやめられないよぅ。
23日(祝)
「中世を作ろう」、ようやっとロマネスク様式の教会の壁、それも一部分が完成。これだけのレンガを積むのに何時間かかったことか。道は遠いぞ。
hm3のゲラチェック。バンダイの川口さん話が面白い。模型雑誌ホビージャパンでデビューした川口さんは他の仲間二人とストリームベースというユニットを結成。当時のガンプラ少年たちのカリスマとなる。大学卒業後はついにバンダイに就職し、紆余曲折の末についにガンプラを開発する責任者へとなってしまった、いわばオタク業界立志伝中の人なのだ。
この対談でも「バンダイは慶應学閥」など、面白すぎる話が炸裂している。ああ、この本早く書店に並ばないかなぁ。
夕食にスパイス混ぜるタイプのカレー作りけど、辛すぎて失敗。チリパウダーは少なめにしたのに、塩を入れすぎた。
24日(火)
パルコのフランフランで面白いものを買う。ではここで問題です。これはいったい、何でしょうか?正解は今回の日記最後に書きました。ヒントは、「洗面所で使うもの」です。
25日(水)
テレビに出ている自分は、人から見るとデーブ・スペクターみたいに見えるのでは、と自己嫌悪。いや、暗いし長い話だからまた今度ね。
ファンの方から埼玉テレビについてのタレコミ情報。もらったメールを少しばかり
岡田さん、はじめまして。
「オタクの迷い道」のなかになぜか埼玉テレビはオタクにとってありがたい番組の再放送をたくさんやってくれるというようなことが書いてありましたが、私が高校のとき世界史の先生が、「いやー、この前の連休にウチのボウズ(息子)にビデオで『ウルトラセブン』全部見せてやったから今度は『ガンバの冒険』を見せてやろうとしたんだけど、ビデオがなかったから埼玉テレビに勤めてる友達に頼んだんだよ。いやー、ガンダムの時といいあいつにはホント世話になってるよなー。」てなことを言ってました。
これが真相では?
なるほど。これが真相かどうかは別にしても、地方テレビでは再放送のアニメなど担当者のハラ一つなんだろうなぁ。いいなぁ、僕にもそういう知り合い、欲しいぜ。『スターウルフ』とか『ダイヤモンド・アイ』とか頼みたいなぁ。
「週刊・中世を作ろう」をまた作る。横壁のアーチ部分、ようやっと完成。アーチの組み方が理解できたので、正面ファザードはもっと上手く組めるに違いない。
26日(木)
三週間ぶりのダイエット会議。しかし体重がまったく減っていない僕は大いに落ち込んで反省。とにかく、弛んでいた生活習慣を立て直そう。
夜、大阪の姉から電話。母親に黄疸が出はじめた、という。胆管に挿入したチューブが詰まってしまい、母は再手術を拒否している。以前から「延命処置はしないでくれ。生きているだけ、はイヤだ」とさんざん聞かされていたので、医師のほのめかしている「ご家族からの説得」はしないことにきめる。少なくとも、僕が見てる限りは自分の好きなように生きてきた人である。その最後も自分で決めたいに違いない。僕だって、自分の最後、「どのように終わるか」は絶対に自分で決めたい。
二年前の冬、「あと三ヶ月だろう」と医者には言われた。昨年の暮れには「あと三週間ぐらい、と覚悟してください」と言われた。この日記にはいちいち書いてないけど、毎月、最低一度は見舞いに行ってる僕だって、相当のプレッシャーだ。近くに住んでなにかと面倒を見ている姉は、僕などより遙かに労働量もプレッシャーも多い。もう、誰もが限界を感じている。
母親の人生は、いよいよ最後のカウントダウンに入った。
27日(金)
僕的にはいま、「海洋堂ブーム」なので、朝から秋葉原の海洋堂ショールームへ行って妖怪フィギュアなど買う。「菅原道真」とか「天狗車」とかが特によくできている。
雨の中、渋谷へ移動して東急ハンズ近くのJ―POPカフェへ。Mondo21で放送中の「侵略放送パンドレッタ」の企画で唐沢さんと開田裕治さんとの鼎談、という仕事。はじめて来たけどこのカフェの内装、めちゃくちゃカッコいい。『時計仕掛けのオレンジ』とか『ウディ・アレンのスリーパー』風の、レトロ・フューチャーデザインなのだ。
昨日、いきなりFAXされた打ち合わせ表を見たら僕が司会する、とあったので唐沢さんに頼み込んで進行役をお願いする。あー、たすかった。
収録後は近場のルノアールで今年の「オタク大賞」の打ち合わせ。毎年、やることになるのかな。去年は「いつきちゃん」という逸材がいたけど、今年はどうかなぁ。
帰ったら文春の田中さんから「オタクの迷い道」を文庫化したい、というメール。そうか、前の単行本を出してからもう三年も経っていたのか。
28日(土)
きわめてマジメにダイエットを建て直すために、「良いおやつ」を買いに行く。「良いおやつ」というのは、カロリーメイトみたいな補助食品のことで、これを一日に二回、食べる。その他に普通に二食たべて、まぁ一日なんとかまわる、という算段。
今日、買った商品は以下の6つ。
●ポケットグラノーラバー クコの美&カボチャの種
(アサヒフードアンドヘルスケア)
原材料・・コーンフレーク、オーツ麦、水飴、砂糖、カボチャの種、クコの実その他
一袋30gあたり・・エネルギー110kcal、たんぱく質3g、油脂3g、炭水化物17.5g、その他ナトリウム、カルシウム、マグネシウム
●ポケットグラノーラバー 5つのフルーツミックス
(アサヒフードアンドヘルスケア)
原材料・・コーンフレーク、オーツ麦、水飴、砂糖、レーズン、アプリコットその他
一袋30gあたり・・エネルギー110kcal、たんぱく質2g、油脂1・2g、炭水化物20.4g、その他ナトリウム、カルシウム、マグネシウム
●栄養調整食品バランスオン(グリコ)
原材料・・小麦粉、植物油脂、ポリデキストロース、でんぷん、マーガリン、ショートニングその他
1箱40gあたり・・エネルギー180kcal、タンパク質3・4g、油脂8・2g、糖質22・1g、食物繊維5gその他ナトリウム、カルシウム、鉄など
●バランスパワー アーモンド味(ハマダコンフェクト)
原材料・・小麦粉、マーガリン、バター、アーモンド、砂糖、ポリデキストロース、上新粉、加糖脱脂練乳、ココナッツその他
1箱44gあたり・・エネルギー235kcal、タンパク質3・5g、油脂13.8g、炭水化物24・2g、食物繊維2・4g、その他ナトリウム、カルシウムなど
●栄養バランス食品バランスデイト バナナビター味
(日本食研)
原材料・・小麦粉、マーガリン、砂糖、チップチョコ、バナナ、ブドウ糖、果糖、アーモンド他
1箱74gあたり・・エネルギー365kcal、タンパク質6・3g、油脂21・8g、糖質36g、食物繊維4・6g、その他ナトリウム、塩分、ショ糖など
バランスパワーとバランスオンは箱入りで、中に二袋入っているので一回に一つだけ食べることにすると、どれも200キロカロリー以下。油脂の割合が多いもののほうが腹持ちがよいみたいだ。
しかし、ダイエットはじめてからやたら成分表とか原材料を見るようになったなぁ。
夕方、アマゾンで注文していた「バック・トゥー・ザ・フューチャー」のDVDボックスが到着。
29日(日)
日記の準備しながら「バック〜」のDVDを見る。メイキングやインタビュー集に見入ってしまい、原稿が進まない。
「週刊・中世を作ろう」、いよいよ正面玄関のアーチに取りかかる。もう先週の木曜に3号が出ているというのに、僕がやってるのはまだ2号の途中だ。あああああああ、焦るなぁ。
30日(月)
「中世を作ろう」第三号を買う。今回はテキスト用のバインダー付き。日ペンの美子ちゃんを思い出すなぁ。
吉祥寺サンロードにあったシナボンが閉店していた。これであの前を通っても甘い匂いに苦しまなくてすむ。近くに住んでるだけで虫歯になりそうだ、と思ったのも今はすべて懐かしい。
柳瀬君にヤフオクで競り落としてもらった「ガンダムTVシリーズのLDBOX」が到着。DVD版も発売されているけど、音が新録なので気にくわないのだ。だって、ランバ・ラルはあんな声じゃないもん!
スピルバーグの「E.T.」改変の時にも思ったけど、ある程度成功して評価の定まった作品というのは、創造者の所有物ではない、と思う。もちろん彼らには収益を受ける権利はある。しかしだからといって、過去の作品を「あれは手直ししたいから、今後はこの改変版しか売らないで」と言われてそうなってしまうのは、あまりに理不尽だ。
僕にとってのガンダムは、TV版だ。劇場版もZも逆シャアも。富野監督みずから監修した新録音版も必要ないのである。
夜、おたくマンスリーの収録。はーらんの野郎に「ガンダムTV版ですか?もうすぐDVD出ますよ」と言われる。くそー。DVD、できたら買いたくないんだよな。どうせあと5年もしたら次のメディアに駆逐されて、今のLDみたいに三枚1000円で叩き売られる未来が見えてるもんな。
sawada君が持ってきたボードゲーム『ブロクス』をみんなでやってみる。パッケージに「ルール理解まで30秒」と書いてたので「ホントかよ?」と疑ったけど、本当に30秒足らずで全員、理解できた。これ、ものすごく面白い!
収録後、柳瀬君から退職届を渡される。来年三月末で退職して、しばらくは人材派遣会社に登録してリハビリしたい、ということだ。
「リハビリとは?」「普通の会社で自分が通用するか、試したいんです」などの会話があったけど、基本的には独立には賛成である。
今年ぐらいから僕や我が事務所も大きく方向転換の時期が来ている。現に売上比率を見ても、というのは内輪の話なのでまぁいいか。
とにかく、居心地のいい場所(良すぎる、と言われた)を出て外海に出ようという気概は天晴れ。頑張って欲しいし、僕もここを一人で維持することになるので、その算段(というか改造案)がもう脳内で動き出していた。
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