「モータルコンバット」のスタッフはどこへ行ったのか?それはスクエアが一番よく知っている。 雑誌のスタッフ募集の広告から分かるように、ゲーム業界は人手不足であり、絶えず優秀な人材を求めている。優秀な人材を手に入れる一番手っ取り早い方法は、既に実績を持ったスタッフをどこかから連れてくる事、つまり引き抜きだ。 当然のことながら引き抜きには弊害がある。
まず第一に、日本のゲームレベルが上がりにくくなると言うこと。つまり、他の会社から優れたゲームがでてきたとき、スタッフを引き抜く事で問題を解決しようとすると、それを超えるゲームを作る技術を開発しようとする努力を放棄することになる。絶えず面白いゲームを作る努力をしていないと、本当に面白いゲームはうまれなくなる。重要な事は、ある特定のメーカーが面白いゲームを作る事ではなく、日本全体のゲームレベルをあげる事。そういう考えを持たないと、今はまだ良いかもしれないが、将来ユーザーが満足するゲームができなくなり、日本が世界に誇るゲーム業界自体が衰退することになる。
第二に、引き抜くときどうしても賃金があがると言うこと。引き抜きはより高い賃金をはらう事で成り立つ。そしてその影響はゲームの価格にあらわれる。だがここで問題なのは、賃金と能力とが必ずしも比例していないということだ。スポーツでならば一目見てその選手がどの程度のものか分かるが、ゲーム業界ではスタッフの能力を測るときその人が手掛けた作品から判断しなければならない。その作品が作者の能力を超えて偶然面白くなっていたものだったら、当然作者は過大な評価をされる。そしてその評価のもと賃金は決められる。そしてもし正当な賃金まで下げようとしたら、その賃金に不満を持ちやめていってしまう。これは年俸についても同じことがいえる。ヒット作品を作ったからといって簡単に年俸を上げたとする。確かにその時は金もあり何も問題はないかもしれない。だが、次の作品が外れたらどうするのだろう?年俸を下げるとすると、スタッフのほうも上がった年俸のほうでローンなどを組んでしまっているので、より高い年俸を求めてやめていってしまう。そしてまた人材が減り、優れた作品ができにくい環境になっていく。
こういう訳で、引き抜きは結局自分の首も絞めることになる行為だと言える。
なんとなく噂でスクエアが引き抜きをしているとは聞いたことがありましたが、まさか本当にやっているとは考えませんでした。どうせ今までスクエアのゲームなんて買ったことがなかったから特に裏切られたなんて気持ちもありませんが、やはり人様に迷惑をかける行為には許せないものがあります。