1,板野サーカス
板野一郎氏があみ出した動きを最大限に伝える技法。「直角ミサイル」などに代表される。いかに気持ちよく見せるか、いかにスピード感をあらわすかを追求したもの。詳しくは「オタク学入門」(太田出版 岡田斗司夫著)の24ページを参照。
フライトシュミレーターに応用するとするなら、ミサイルを撃つときにわずかに画面を寄せて、着弾の瞬間に少し処理を遅くするようにする。人間の感覚からするとミサイルを撃つ瞬間には神経が敵機に集まり視界が狭くなったようになるので、これを画面をよせる事であらわす。また着弾の瞬間には感覚が加速されて時間が引き伸ばされた様になるから、それを処理を遅くする事であらわす。見てる者に爽快感を与えるような効果を持たせる事が本質。
2,Dの食卓2
ワープの代表作「Dの食卓」の続編。この中の鎧が出てくるシーンは飯野氏が担当しており、他のシーンとは一味違うらしい。実際岡田氏はこのシーンのできを特に評価していた。そんな特別なシーンを作り出す飯野氏もすごいが、それを見破る岡田氏もすごい。
3,スーパーマリオ3
このゲームの中でジャンプするとき、ジャンプボタンを軽く押したときと強く押したときとで跳ぶ高さが違う。人は普通ジャンプしてとどかないとき次は気合を込めて長い時間ボタンを押す。それを見越してこういう効果を入れるのが本当に能力のあるプログラムだそうだ。高さが違うといってもわずかなもので普通にプレイしているときにはほとんど気付かない。プレイヤーは1回目ではとどかないところも何度か繰り返しているうちにとどき、そのことに気持ちよさを感じる。これもまたプレイヤーを飽きさせず満足させるための技術。
4,Nintendo 64
現在出ている3タイトルの内の1つ「マリオ64」については、飯野氏も岡田氏もべた賞めしていた。いわく、動きのよさも然る事ながらその画面運びがたまらないのだそうだ。岡田氏の観点からすると、プレイヤーの視点が前に進みたいと感じる絶妙の場所に置かれて、絶妙の方向をむいていることになり。飯野氏の観点からすると、プレイヤーの視点がマリオの動きのせいで壁の後ろに来たりする場合の処理が完璧ということになる。
両氏の意見を総合すると、「マリオ64」を観るためだけにNintendo64を買っても十分OKだそうだ。
5,匠の目
上に挙げた1〜4の技術はゲーム製作者(オタク)から、日本中のオタクに向けられたメッセージだ。このメッセージを読み取る事はオタクに課せられた使命だ。ゲームを一番面白くしている部分はこれらのように一般人には気付かれないところに隠れている事が多い。分かってくれる人がいないと製作者のほうも張り合いがなくなり、さらによい作品への意欲が減ってしまう。だからこそ「匠の目」を持ったオタクが必要になる。
これからのゲーム界やアニメ界を引っ張っていくのは、オタク的な技術を作り出す製作者と、それに答えるオタク達だ。我々もオタクの道を究めるためによりいっそう努力しなければならない。