高橋義雄の足跡
●「定着」と「放浪」と…高橋義雄に見る「放浪型」東北人の典型



カタクリ群生

chapter3〜青い目の住職と東北人気質〜

 秋田の崇念寺では、9年間も行方不明になっていた高橋義雄が、突然、青い眼の嫁さんを連れて戻ってきたため、親戚一同、大騒ぎになったのですが、秋田の伝統的によそ者を受け入れる風土と、色白で毛深くて眼が大きく背が高いという秋田美人の条件を、ロシア人女性が満たしていたことなどもあって、アラズモーアさんはあっさりお寺のお嫁さんに収まってしまいます。そして何人か子供が生まれるわけですが、一番上のお嬢さんが、ビクトル・スタルヒンと結婚された高橋クニエさんです。そして崇念寺は息子さんが継いで、今でもこの寺に行くと、碧眼の住職に会うことが出来ます。

 高橋義雄はこの後、日本の参謀本部から頼まれて再度、当時のソ連に行き、旅回りの一座で巡業しながら現地調査を行うわけですが、こうした国境を越えて異国に出かけていくことに何の抵抗も感じない風来坊タイプで、日本人として型破りな性格の人間は、実は東北人には少なくないのです。高橋義雄はある意味で、その典型的な1人と言えるでしょう。これは単に東北人が貧しいから外に出ていくというのとは異なり、未知の土地に対する強い憧れからそこに出かけていくのです。

 そして高橋義雄のような「放浪型」人間を生む東北文化というのは、国際化の中で外に向けて情報発信していく文化あり、またアラズモーアさんを秋田の人達が違和感なく受け入れたように、外来文化に対して非常に寛容な面を持った文化でもあります。

 

談話音声:chapter3-青い目の住職と東北人気質

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