山窩(さんか)の女
『流木』(1995年9月徳間書店刊)所収/1985年『問題小説』初出

「山窩について、わたしの知識は少ない。かろうじて、この山の民がかってはすぐれたマタギであり、また山村独特の生活用具を作って売る、僻地文明の伝承者であったことを知っている程度だ。でも彼らは、とうに山を下って里人と同化し、その存在は影すらとどめないものと思いこんでいた。」

西木氏のあとがきより
「わたしは自他ともに認める道楽者で、これまでさまざまなことに手を染めてきたが、その大半は野外の遊び、今風に言えばアウトドア・スポーツである。どんなに力んで見ても、やはり好きなものは好きなのである。いつのまにか、大自然を舞台にして生きる人々の悲喜こもごもの生き方や、そこで発生した事件に題材を求めた物語を、相当数書いていることに気がついた。」

((読者の独り言))

○歌謡曲の世界…。「恋をなくした私は 東京駅から新幹線で 南に南に一人旅を続け…」というのはどうもぴったりこないようです。涙、哀愁、一人旅というのは北国に似合っています。北国には多分、あからさまには見えないけれど、雪の中から手でかき出すような、厳しいからこその ロマンがあるのではないでしょうか。



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