山形から渤海へ「渤海倶楽部」
●環日本海地域の中の東北地方



斜光の海

chapter3〜国際交流の形〜

 まあこうした複雑な問題はあるものの、渤海国のあった地域では日本の古い貨幣なども発見されており、また現在、開発計画が話題となっている豆満江は、かつて渤海国から日本へ向かう船の出港地として日本道と呼ばれていたなど、ある意味で中国と朝鮮半島と日本を結ぶ古代の交通の拠点であったわけですから、我々日本人にとって渤海国は歴史的な意味でも非常に興味深い対象です。

 このように古代から日本海を挟んで大陸との交流が行われており、そして今日も対岸には中国の東北地方やロシアなどの日本にとって重要な交流相手先があるわけですが、ただ現在、東北に住んでいる人の多くは、こうした日本海の持つ地理的・歴史的な意味について充分に理解していません。日本海側の地域に対して裏日本という言い方もされてきましたが、古代には、太平洋側に比べて日本海側の方が先進地域だったのです。こうした日本海を経由した大陸との交流の歴史を振り返ることをきっかけに、東北地方と中国、ロシア、南北朝鮮など環日本海地域のとの交流を、今後、積極的に進めていくべきではないでしょうか。

 ちなみにこの夏に訪れた牡丹江では、日本からの観光客の拡大を非常に期待していました。黒龍江省の中でも中心部から外れているため、交通も不便だと思われがちですが、それほど悪いわけではなく、また地元の努力で観光開発が進んでいて、昭和30年頃の箱根の芦ノ湖くらいの感じです。そして牡丹江周辺には戦前、日本からの開拓団が多数入っており、当時、そこに住んでいた人たちが、今では昔を懐かしんでよく訪問していますが、現地では今後、若い人たちにもぜひ来てほしいとのことでした。

 特に渤海倶楽部のように、たとえ遊びとはいえお互いの国が友好関係にあった時のことを旅のテーマにして訪れるというのは、非常に気持ちの良いものです。

 

談話音声:chapter3-国際交流の形

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