chapter4〜世の中を見る目〜
郷里に対して非常に愛憎があるというのか、それがまた郷里なのではないかと。しかも、それが関西とか九州とはちょっと違うのではないかと思います。例えば、新幹線にしても、東北は常に遅れて扱われてきたという恨みみたいなものがある。
私の場合なんかは、仙台で育ったような顔はしないで東京に住んでいたような軽薄なところがあったのではないかと思います。年を取るにつれてだんだんに郷里のほうへ目が向いていくというか、それは年ばかりではないと思います。
例えばマフィアに代表される移民は、アメリカでは遅れてやって来たために劣等民族と言われました。ユダヤ人もイタリア人もアイルランド人も下積みからのし上がってきたわけで、常に下からアメリカを見上げてきたわけです。それは東北人の目と割と似ていたのではないでしょうか。そういう意味で、私は世の中を見る目というのをアメリカのそういう弱小移民たちから教えられたという気がします。それは私にとって良かったのではないかと思います。東北の人間だって、下からずっと東京を見上げてきたのではなかろうかと思うのです。
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