chapter2〜地元住民の文化活動〜
一関では文化会議所の設立と前後して「文学の蔵」運動が方々で起こりました。古い蔵を利用して文学博物館のようなものを作ろうということで、8、9年前に発足して、現在では、色川武大、加藤楸邨、松尾芭蕉、大槻文彦などの文学碑が出来ています。さらに、大槻文彦の伝記を書いた高田宏さんのシンポジウムや、井上ひさしさんの日本語講座、松谷みよ子さんの子供のための本講座などを開催してなかなか好評です。
余談になるけれども、先日対談で村松友視さんも一関が好きだという話を聞きました。なぜかというと、一関には蔵を使った「ベイシー」というジャズ喫茶があるからなのだそうです。そこは全国的にも有名で、文化人と言われる人がたくさん訪れているのです。文学といった堅いことではなくて、たった1軒のただの喫茶店が文化の拠点や広がりの起点になっているということは、非常に興味深い現象だと思います。
一関に限らず東北地方の文化振興について考える時、その土地に在住している文化人の存在が大きいのではないでしょうか。地元にいるとその必要性を実感するでしょうから、三好京三さんや及川和男さんが今やっているように、地元在住の有名人がリーダーとしてやっていかねばならないでしょう。行政では何も生み出せないと思うし、そういう在住の文化人がテコになり、中央の識者がそれに参加していって地方の文化を引き上げていくのではないかと思います。
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