4syuuron4 「伝統民族文化の継承と支援」―日本文化の創造と地域の創造―  目次  前項  次項
終論 伝統民俗文化の創造的継承のための支援の方法論の提起
 
4 文化への支援方策の検討

 上記までに行政や企業と文化、伝統民俗文化との関わりを概観したが、ここで文化に 対する支援方策としてどのようなものが存在するのかを検討する。一般的には資金助成 が中心であるが、場の提供や物品の貸与、労働力の提供など様々な支援方策が存在し、 最適な組み合わせで適用していくことが望まれる。
 大きくは7つの方法が存在する。

[1]資金提供
活動のために必要な資金を助成する。
[2]機会提供
活動の機会を創出したり、きっかけづくりをする。
[3]空間提供
活動のための場や施設を提供する。
[4]物品提供
活動に必要な物品を現物で貸与したり、与えたりする。
[5]情報提供
活動に必要な情報や知識を提供したり、また他に流したり情報の交流をさせる。
[6]人材提供
活動に必要な人材、助言や相談を行う人材を提供したりする。
[7]研究開発
活動を総体的に支援するために必要な実態把握や方法論研究など研究開発し、その 成果を情報提供や人材提供などを通じて提供する。また、資金、機会、空間、物品 などの提供のあり方や方法に適用していく。

 この7つの支援方策の内、1から5までは何らかの形で行われているが、人材提供や 基礎的な研究開発を行っているものはほとんどない。

 伝統民俗文化に対する支援を考える場合、対処的には資金や物品などの提供が求めら れるがそれは伝統民俗文化の置かれている状況からすれば、抜本的な解決とはなりにく い。現在最も求められているのは、これらの支援方策を実施していくための方法論の構 築であり、さらには、伝統民俗文化そのものの把握の方法、支援方策の実施の枠組みの 構築である。
 特に、伝統民俗文化の創造的な継承を図るためには、単に現在の活動を維持するだけ でない、次代につなげていけるための仕組みや仕掛けを内在化させていくことが必要で ある。しかし、そのような仕組みを地域の中だけで構築していくことは非常に困難であ るのが現実である。ケーススタデイで見たように、個々の地域で努力されているものが あるが、その成果が他に応用されることすらまだ行われていない。そのような先進的取 組を紹介していくだけでも現在困っている地域にとっては有効な情報となるのである。 地域内部にいる人にとっては芸態や儀礼的、精神的な側面が大きいため、伝統民俗文化 の内発的発展力の基盤がどこにあり、社会的経済的な構造とどのような関係にあるのか といった側面は当事者であるが故になかなか把握しきれない。しかし、それが把握でき ると非常に上手く活動が活性化するという例も多いのである。
 次項では、このような視点からの伝統民俗文化支援の方法論を検討する。


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