上記までに行政や企業と文化、伝統民俗文化との関わりを概観したが、ここで文化に
対する支援方策としてどのようなものが存在するのかを検討する。一般的には資金助成
が中心であるが、場の提供や物品の貸与、労働力の提供など様々な支援方策が存在し、
最適な組み合わせで適用していくことが望まれる。
大きくは7つの方法が存在する。
伝統民俗文化に対する支援を考える場合、対処的には資金や物品などの提供が求めら
れるがそれは伝統民俗文化の置かれている状況からすれば、抜本的な解決とはなりにく
い。現在最も求められているのは、これらの支援方策を実施していくための方法論の構
築であり、さらには、伝統民俗文化そのものの把握の方法、支援方策の実施の枠組みの
構築である。
特に、伝統民俗文化の創造的な継承を図るためには、単に現在の活動を維持するだけ
でない、次代につなげていけるための仕組みや仕掛けを内在化させていくことが必要で
ある。しかし、そのような仕組みを地域の中だけで構築していくことは非常に困難であ
るのが現実である。ケーススタデイで見たように、個々の地域で努力されているものが
あるが、その成果が他に応用されることすらまだ行われていない。そのような先進的取
組を紹介していくだけでも現在困っている地域にとっては有効な情報となるのである。
地域内部にいる人にとっては芸態や儀礼的、精神的な側面が大きいため、伝統民俗文化
の内発的発展力の基盤がどこにあり、社会的経済的な構造とどのような関係にあるのか
といった側面は当事者であるが故になかなか把握しきれない。しかし、それが把握でき
ると非常に上手く活動が活性化するという例も多いのである。
次項では、このような視点からの伝統民俗文化支援の方法論を検討する。