[1]縄文時代開始の年代 約1万2,000年前
縄文時代がいつ始まったのか、という点については諸説あるが、ほぼ1万2,000年前に 遡るという説が一般化している。この背景には、発掘による資料の充実、それに伴う学 術の進展があったことは勿論であるが、放射性炭素の測定などの科学的手法との連携も 大きな役割を果たしている。
[2]縄文時代の開始とは
縄文時代を上記のように「土器の利用」によって定義するならば、土器の出現をもっ
て開始とみなすべきであろう。ちなみに、縄文時代草創期の土器としては、現在、
・青森県大平山元(おおだいやまもと)遺跡出土の無文土器の一群を最古とする「隆起線文
(りゅうきせんもん)土器様式」
・長崎県泉福寺洞窟(せんぷくじどうくつ)出土の「豆粒文(とうりゅうもん)土器」と呼ばれる一群
が知られる。この時期、九州北部のいくつかの遺跡では大陸起源の“細石刃(さいせきじん)”がともに出土している。
縄文文化の萌芽が確実にこの段階にあることと、かつ九州地方北部とともに東北地方
北部が重要な地域であることは疑う余地がない。しかし、縄文時代の起源に関しては未
だ論争もあり、まだ多くの解明されるべき課題が残されているのである〔注1〕
〔注1〕縄文時代を上記のように定義するとすれば、土器の出現をもって縄文時代の開始と考えることが自然ではある。ただし、その説には異論を唱える研究者もまだ多く、これらの土器を持つ時代を“原土器時代”、あるいは旧石器時代的な文化要素の残存に着目して“晩期旧石器時代”などどと呼ぶ場合もある。