高岡吾郎と栗原由希子が山形取材から帰って、もう3日が過ぎていた。しかし吾郎は、なんとなく毎日を過ごすばかりで、部長に怒られっぱなしである。由希子が声をかけても、返事はするが、どこか上の空だ。それほど、吾郎のショックは大きかったのだ。
知らなかったのが問題ではなく、山原雄海に教えられたのが問題だった。
吾郎は、自分が幼い頃に死んだ母を思い出していた。