『美味しんぼ風味』〜最終話2〜

『こんなものが食えるか!作り直せ!』

吾郎の母――雄海の妻――に、雄海が皿を投げつける。たったひとくち食べただけで、である。

押さない吾郎が、その光景を障子の陰から見ている。吾郎は、父である雄海に、恐怖ばかりを感じていた。

『なんでお父さんは、料理のためにこんなに怒るんだろう?なんでお母さんは、なんにも言わないんだろう?』

吾郎には当然の疑問だった。

やがて吾郎の母は、他界した。

正直なところ吾郎には、母の他界した理由がはっきりとは分からない。父に聞いても、なにも答えてくれなかった。だが他界する前、母がノイローゼで倒れたことは、はっきり覚えている。

やがて吾郎は、雄海との縁を切った。

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