ウエディングベルを鳴らすのは1 「ねぇ知ってる?美菜子が彼とゴールインしたきっかけ」

右隣に座っていた由紀が、ニコニコしながら話し掛けた。私は、首を横にふった。

由紀は高校からの親友で、お互い大学は別々だったが卒業してもコンタクトとりあい集まっているメンバーの一人だった。今日は、『美菜子』メンバー初の結婚式でここはその披露宴会場なのだ。

「新郎新婦のご入場です。皆さんあたたかい拍手でお迎えください」

声高らかに司会のアナウンスが流れ、ざわめいていた場内が静まり返った。

ゴージャスな打掛白無垢を着ている彼女は別人に見えた。美奈子は頭が重いのか少々猫背になっていた。背の高い眼鏡をかけた紋付き袴姿の彼は、妙に七五三を思い出させておかしかった。美菜子の理想に近いな等と考えながら、由紀の話の続きが気になっていた。

二人を結び付けたのは、誰だと思う?『松尾芭蕉』なのよ!おどろくでしょ?」
「小説よりでき過ぎたはなしよ。本当の話。美奈子に電話で聞いたのよ」

仲人の挨拶が始まった。自慢しながら話したい由紀は、「後で」と声を出さずに言った。

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