健一: それぞれ、今まで暮らしてきた土地の習慣があったと思うんですけど、その習慣は今でも守っていらっしゃるんですか?伊藤さんの卵を食べない習慣とか?
伊藤: それはないんじゃないかなぁ(笑)それよりも、新しい文化を作り上げるというのも、大潟らしいとこだと思うんですよ。
佐藤: 例えばこの村では子供が一番言葉がいいんですよ、我々は30過ぎてから来ているかあら、土地の言葉が抜けなくって大変だけど。共通語じゃなきゃここでは通じないので、大潟弁ていうのか標準語にもどっちにも着かない言葉があるんですよ。
健一: いろんなところの言葉が混ざってしまって生まれた言葉という感じですか。

佐藤: 周辺から来ている学校の先生なんかは、子供に言葉を注意されるんですよ。秋田弁じゃよくわからないから。そのぐらい大潟の子供たちは言葉がいいんですよ。
富田: 北海道が言葉がきれいだというのと同じことだと思うんですよ。一番困るのは、我々で、方弁がなかなか抜けないもんですから。言葉で出身地がわかるので、それで知り合いになったりして。なかなか直せないもんなんですよ。だって今でもわかんない言葉があるんですから。
九州の方へ行って話すと秋田弁がでるっていわれるけどね。同じ九州の人と話したときだと、すぐ「あんた、鹿児島だね」っていわれるんですよ。イントネーションが違うっていうか、下がるっていうか。言葉はなかなか直らんね。
佐藤: 言葉はなかなか直らないですよ。我々30でここへ来て一番年上が45才か。30年付き合っても、2、3人わかりません。やっぱり地元の言葉がでてね。
やっぱりそのくらい直せないっていうか、同じ秋田県生まれでも、この辺と県南とは違うからな。 年配同士の話しなんかは、まったく富田さんなんかは解らなかったと思うんですよ外国に来たみたいに。
富田: 最初はうんと解らなかった。今でも、難しい言葉解らないもんね。
佐藤: 山形行ったってそうでしょ。第三者として聞いていると、どこの言葉だか解らない。通訳してもらう必要がある。ここにいる人はできるだけ標準語を使おうと思って。
高校に行くと能代からの子供たちと一緒になるでしょ。大潟村の子供は標準語に近いもんだから、逆にかっこつけてるとかって言われんのさ。ちょっと違うわけさ、言葉が。
健一: 大潟村の子供は標準語を使いあがって生意気だ、って思いますよね。
伊藤: おまえ達は大潟村じゃないか。村のくせに標準語使いあがって、で、イジメられたそうですよ。
富田: 大潟村の中学校を出て、能代の高校へ行くんだもんな。
佐藤: とくに、上級生ににらまれる。
健一: 年下に標準語をしゃべられると、上級生がしゃべってる秋田弁がかっこ悪くなりますよね。