『牛も年齢によって育て方が違うんですよ』
〜牛の栄養管理は難しい〜

伊藤:晴れた日には牛を放牧したりしてるんですか?

倉繁:今は放牧はしてないんです。うちみたいに150頭近くの牛を飼育してると栄養管理が難しくなるんですね。
どれだけ餌を食べているかとか、季節によっても餌の栄養価も違いますし、むしろ良いお乳を出してもらうためには、 栄養を計算したものを食べさせるのが主流になっていますね。

伊藤:牛のためを思うと、放牧をして自由に餌を食べるのと、栄養の行き届いた餌を与えるのではどちらがいいんですかね。

倉繁:結局うちではアメリカでもトップクラスの親牛を使ってますから、遺伝的にも一日に20kgも30kgも出るように身体を造ってしまっているわけね。そうするととても放牧しただけの草では栄養が追い付かないわけね。
だから自分の身体を削ってまでもお乳が出てしまうから、そうすると放牧の餌だけでは栄養が追い付かなくて とても妊娠する身体にはならなくて、ガリガリに痩せてってしまうんですよ。
それで牛にいくらかでも ストレスがたまらないようにするためにフリーストール牛舎にしてるんですけどね。

もうちょっと理想をいえば、お産のために休んでいる牛を放牧する体系にもっていけば、少しでも土の上で ゆったりさせることがこれからやらなくちゃないことだなぁと思っているんですけど。
あと子牛ね。子牛はいまうちで10頭以上いるんですけど、公共の牧場に預けてそれは完全に放牧という形で 草だけでやっているんですけど、簡単にいえば牛の保育園みたいなものですね。

牛の年齢によっても飼育するポイントが違いますからね。いっぱいお乳が出ている奴には最高の栄養の餌で 1kgでも多く食べてもらって、子牛の時には運動させて健康に育てて、放牧で草を食べさせて胃袋を大きくさせるとか。 同じ牛同士でも同じか飼い方じゃだめなんだね。現役用の牛とお産を控えてる牛とじゃ、餌の種類も違うし、 それは100頭飼おうと10頭飼おうと同じなんですけど。