『牛のことを思うと休めないんだよね』
〜休日がない酪農の仕事〜

伊藤:この仕事はほぼ毎日なんですか?お休みとかは。

倉繁さんの奥さん:この仕事にお休みはないですね。でも昔と比べると、一緒には出られませんけど、 どちらか一人欠けてもなんとか出来ないことはないので、出かけるときにはそうしてるんですけど。

搾乳場は主人か私のどっちかができるようにしていて、向こうの牛舎の餌やりとかは、息子たちができるようにしてるんです。 昔からそういうふうに教えているんで。 だからどっちか一人欠けても大丈夫なんですけど、一緒にっていうのはまずないです。

伊藤:牛のためを思うと、半日もあけることは出来ないんですね

。 倉繁さんの奥さん:えぇ。うちにはほとんど毎日受精師さんがくるんですけど、日中はそれであけられないし、病気の牛がいれば 獣医さんも来ますから、午前中はほとんど牛たちからは離れられない状態ですね。

倉繁:今はヘルパー制度っていうのがあって、月に1回ぐらい休みが取れるようになったんだけど、 それがまだ完全に定着していないっていうことと、うちは一般の酪農家と違った形態にあるので、 休みが取れないっていうのが悩みの一つです。

伊藤:家族みんなでまる1日休んだっていうのはまだないですか?

倉繁:そうだねまだないです。行くにしても朝の9時に出て5時に帰ってくるとか。 子供が小さい時なんかはかわいそうなんで、そういうのはごくたまにあるけどね。 だから一泊旅行なんて言うのはまだないし、出かけるにしても時間を気にしながらになっちゃうんですよね。

休みがない休みがないっと言う生き方もあるし、休みはないけど日中は時間がたっぷりあるとか、 結局今までの農家は休みがないとか、暇がないとか、世間にも子供達にもそういう印象を与えてきたと思うのね。
確かに休みがないって言うのは事実なんだけれど、例えば逆に考えればずっと家にいるわけだから、 子供が学校から帰ってくれば相手になってやれるし、そういったいいものを強調できるような 生活姿勢も大切なんじゃないかなと思うね。ある意味では休みを取るような姿勢も大切なんじゃ ないかと思うけれど、むしろ酪農という仕事は朝晩365日仕事があるという環境の中で、子供なり家族なり 世間に対して逆にいい意味で対応できればいいなぁと思ってるんです。