次の世代に健やかな心を繋いでいきたいんです
子供たちに残しておきたいもの
奥会津に私ができること
遠藤 由美子
奥会津書房編集長。福島県三島町生まれ。
郡山女子短期大学卒業後、首都圏でフリーライターとして活動後、Uターン。昭和村からむし織の振興に携わり、三島町広報員のかたわら、1998年、手作りの本づくりグループ奥会津書房設立。奥会津文化の精神的な部分を次の世代に伝えていく出版活動と同時に、テレビ、新聞紙上からも発信を続けている。

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theme1 子供たちに残しておきたいもの
私たち「奥会津書房」は、奥会津の精神性のようなものを子供たちに残しておきたい、と本を作っています。たとえば「山入り」っていう行事。その行事を大事に続けていこうというのではなく、山入りの行事の裏にある気持ちを大事にしたいんです。つまり、いまは文明が発達していて、山に入ってもそうそう事故にも遭わないし、天気も神様に聞かなくてもわかる。わざわざ山の神様に「なんとか一年中、事故のないようにしてください。どうか守ってください。守っていただいてありがとうございました」と祈る必要はなくなっています。
それは仕方がないことです。ただ問題なのは、人間以外のものに感謝したり、畏怖したりっていう気持ちも次の世代に伝わっていかなくなってしまうことです。それは結局、人間に対して敬意を抱いたり、感謝したりっていう気持ちの質まで変わってしまうような気がするんです。お金を儲ければ正解、えらくなれば正解、ということだけが基本になってしまう。
じいちゃん、ばあちゃんたちは、その辺すごく健全だと思うんです。健全なものを持ってる人たちがいて、そういう健全な精神性みたいなものを、次の世代が壊している。その自戒を込めて、命を敬う、人を敬う、見えないものも敬う、ゆえに感謝もできる。それをまだ持っている地域だから、そういう人たちの言葉や、そういう人たちのことをいろいろと拾い集めて、とにかく残しておく。これは奥会津だからとかいう特殊なものではないし、日本国中どこでも、人間が生きているところどこにでも共通していることだろうと思うんです。

theme2 奥会津に私ができること
それともうひとつ、私自身、三島町の広報員ということで、三島町だけでなく、奥会津、地域全体の広報活動について考えたとき、客を何人呼べるか、お金はどのくらい町に落ちるか、そのための行政をどうするか、っていうことをみんなは求めていますね。
大都市、都市部とこちらをつなげて、人口をなんとか増やそう。人口が増えないまでも交流人口を増やして、この町に、この村に、お金を落とすことが、この地域が将来的に成り立っていける道だ、という行政的な思考は変わってないと思います。でも、そういう発想はもうもうだめなんじゃないか。
よくわかりませんが、私はそのための努力はできない、というのははっきりしています。
いいところだから来てくらんしょ、とは言いたくない。で、もしかしたら、あなたがここに帰ってくる場所としてとても快適だと思ったら、一生懸命、帰って来てください。私達と同じように、自分の座る場所があるところだと思ってほしい、と呼びかけたいですね(談)。


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