●21世紀へのコンセプト(エニックス社長福嶋氏インタビュー/ボイス10月号)
福嶋 「結果として、ソニーに“ダメソフト”が増え、市場がダメになったかというと、そんなことはない。スーパーファミコンだって売れないソフトは売れないし、プレイステーションだって売れないソフトは売れない。任天堂が“ダメソフト”をできるだけ出さないようにしようとしたことによって、従来と方向性が完全に変ってしまった。任天堂はいままでソフトハウスが持ち込んだソフトを原則として全部オーケーしてくれましたからね。64でソフトの数を絞るということに関して、僕は大反対でした。『じゃあ、福嶋さん、何本だったらいいの?』と聞かれたから、『最低でも、月五本は必要なんじゃないですか』と答えました。
たとえば、ロール・プレイング・ゲームが好きな人は、いくらアクション・ゲームが出ても、興味がわかない。ロール・プレイング・ゲームが月に何本か出て、はじめて選ぶことができます。プレステはたくさんのソフトを出したから、これはおもしろそうだな、こっちもおもしろそうだなというようにユーザーに選択の自由が生れた。うちは、昨年一月から、任天堂のソフトはつくっていません。」
世界で売れるソフトはない
−−−「日本発のゲームソフトが、いまや世界に発信されています。今後のゲームの可能性をどのように考えますか。」
福嶋 「日本では、日本人がつくったゲームは確実に当りますが、世界的に市場が大きくなればなるほど、日本でつくったゲームが世界で当る確率は低くなっていくと考えています。」
・・・(中略)・・・
−−−『ドラクエ』の寿命は、どのくらいですか。
福嶋 三ヶ月ないですね。三ヶ月くらいになると、完全に中古の方が売り上げがすごいです。今、ソニーの場合、中古がすごく少ない。だから、寿命が長いんです。
−−−ということは?
福嶋 中古を認めているか、いないかの違いですね。ソニーは中古を認めていないんです。それはわれわれ業界にとっては、いいやりかたです。『ドラゴンクエストVI』は三百二十万出たのですが、中古ソフトがなければ四百五十万は完全に越していたと思います。いまだに、『ドラゴンクエストVI』は中古売上げベスト3に入っていますが、これも市場のあり方として問題です。ちなみに、次の『ドラゴンクエストVII』は、九八年十二月に出したいと考えています。・・・(後略)