mint.gif 第五回
「こどものおもちゃ」



 くーときてくーときてくーときてヘイ!
 さてさて前回の「はれぶた」からお話をつなげますってぇと、今回はつい先日感動の〜、とゆーよりドトーの最終回でめでたくフィナーレを飾った「こどものおもちゃ」を取り上げねばねばなるまいね。
 しかしあの最終回、エンディングクレジット後のラスト1分の展開にはビックらこきましたぁ。いやー、いいかげんアニメの最終回のパターンなんて出尽くしたと思ってたんすけどぉ、まだまだこんな手が残ってたんですねぇ。うーむむむ。
 そいからテレ東夕方6時の時間帯で、2年間続いたアニメっつーのもちょっと珍しいっす。人気高かったのねー。
 まぁ実際のフィルムを見れば人気あるのも一目瞭然。タレント小学6年生のヒロインが唄って踊ってギャグに感動。高いテンション素早い展開これぞ90年代のアニメっていう「斬新さ」に満ち満ち満ちあふれていたのが「こどちゃ」なんでございますぅ。
 んでもってまさにこの新世代のアニメを造り上げたのが、天才・大地丙太郎その人。大地カントクはもともとは撮影畑出身で、アニメ業界歴は長いんすが、演出家として注目を集めたのは「赤ずきんチャチャ」あたりから。その後「りりかSOS」「妖精姫レーン」「トイレの花子さん」「魔法学園LUNAR」などなど傑作迷作怪作(誉め言葉)の数々を手がけ、今や日本のアニメ界でもっとも注目すべき演出家の一人と言えませう。

 ではではココで「こどちゃ」を題材にちーとばかし大地演出の特徴などをコーサツしてみましょうかいの。

1.動いて動いてにゅるるんるん
 とにかく動く。ヒロイン沙南ちゃん、はしるはねるとぶころがるでシリアスシーン以外、ジッとしている事がありまへん。でもって、この「動き」とゆーのが、既に確立されたフルアニメなぜいたくテクではなくて、漫画的デフォルメやリピートや中割り省略といった技法を駆使したリミテッドアニメならではの「動きの快感」の最大限にまで追求したモノなのだよなお見事。

2.唄って踊れば福が来る!
 とにかく唄う。ヒロイン沙南ちゃんついでに踊る。唄って踊ればみゅーじかるぅ! ・・・のハズなんだけど、たいがいの場合歌詞の内容が即興歌謡な「バカ唄」なのがポイント高し。おまけに作中「えかきうた」やら「かぞえうた」やら「ウクレレ隊」など歌のコーナーがやたら多いのよ。ふざけちゃいるけど音響演出的にはかなり高度な事をさりげなくやっとるんでもー参っちゃう。

3.喋って語って台本2倍!(厚さ)
 とにかく喋る。ヒロイン沙南ちゃんセリフ早口の上多い多い。おまけにキャラ同志が音声多重構造で喋くりあうシーンまでありまんねん。なんでも大地作品は脚本が「三段組み」になってるって言うぞ。この情報量の過密さはなんなんだ〜。
 もう一つ、最近の声優ブームとやらのおかげで、どのアニメも似たような面白味の無いキャスティングばかりになっちまった今日この頃、大地監督はかなり「声」にはこだわっているよーです。それは沙南に声優初挑戦の小田靜枝(本業DJ)や、相手役の羽山秋人に中ア達也(キャラとほぼ同年齢)を起用している辺りからも伺えますねー。

4.ギャグとシリアス2本立て〜
 「♪つっこみたいのにつっこめないよ、シリアスシーンは苦手だな」とばびっとが劇中で歌っているとーり、大地監督は本来はギャグ演出をトクイとするよーなんですが、マジなシーンもこんちこりゃまたうめーのなんの。
 もともと「こどちゃ」は原作からして、荒れた学校とか崩壊した家庭とか捨てられた子供とゆーヘビーな題材を扱っていて、読者の心にグサグサ突き刺さるような展開が多い上、アニメの方はギャグなシーンとのサンドイッチ構造なんで、単純にキッついドラマをやるより、その落差から来る衝撃度パワーアップ状態。(逆にあまりに深刻な内容の時も、後のギャグシーンで癒されてるワケなんすけどぉ)
 それでも毎回沙南ちゃんは立ち直って、また元気にバカ唄歌ってるワケでして、「たとえ辛い事があっても、人生楽しく生きてかなきゃ」というテーマが切々と伝わってくるんですねぇ。こんな風に言葉にするとチンプでヤダけど。

 とまぁこの他にも「声優としての大地丙太郎」(NY編でのタクシー運転手など、いろんな役で出てくるぞ)まだまだコーサツすべき点はあるんだけど、とりあえずもうすぐビデオリリースの大地監督最新作「セクシーコマンドー外伝・すごいよ!!マサルさん」も要チェーック! てなトコで今回はおしまい!

【追記】
「こどものおもちゃ」のアニメはTV版とは別スタッフ、別キャストによる「集英社ビデオ」バージョンが存在する。双方を見比べて大地演出研究の手がかりとするのもまた一興。


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