mint.gif 第六回
「ポケットモンスター」



 さーて今回のお題は「ポケットモンスター」である。予定ではもっと早くにこの作品を取り上げたかったのだが、97年末のあの事件のせいで、純粋にアニメ自体の話を語れるような雰囲気では無くなってしまい、ちょっと先延ばしにしてたのだ。シャカイ的エイキョーがどうのこうのというハナシはオレの守備範囲じゃないしな〜。
 まぁ何はともあれ、無事放送再開された事はメデタい。透過光フラッシュ表現が使いにくくなり、製作スタッフも大変であるとは思うが、制限の中からこそ新たな技法を開発してほしいものだ。(いつまでもピカチュウの電撃がトメ絵になってるのは見苦しい…。)
 ところであんな事件が起こっても、「ポケットモンスター」のアニメが思ったほどパッシングされなかったのは、子供達の圧倒的支持もさる事ながら、番組内容が基本的に健全で、親の目から見ても受け入れやすい内容だったという理由も大きいように思う。(たとえば「クレヨンしんちゃん」とかに比べるとね。)
 登場するキャラクターは愛らしいし、ストーリーは少年の友情と成長物語だし、結果は常に勧善懲悪だし、各話のテーマもヒューマニズムとかエコロジーな物が多いし、一見極めて無害で安心な普通のアニメーションだ。

 だが! ここでよーーーくオタクな目を凝らしてみると、「ポケモン」からはところどころフツーのアニメには無い面白いポイントが拾えるのだ。たとえば…。


1.戦う愛玩動物
 「ポケモン」の一番人気は、今やマリオを抜いて任天堂の顔となった、世紀のアイドル「ピカチュウ」である事に異論のある人もいないだろう。作画・演出的にもピカチュウの描写には、毎回一番神経が使われていて、あまりメインストーリーに関わらない回でも必ず見せ場が用意されている。最近の例で言うと「たいけつ!ポケモンジム!」の回の「ケチャップと戯れるピカチュウ」なんかがそう。ヘタするとストライクVSエレブーのバトルシーンより力が入ってるんじゃないか?
 こういう愛玩動物的キャラというのは、アニメの世界では一種「お約束」な存在なのだが(特に魔法少女ものなど)、ピカチュウの場合は主人公のサトシを完全に食ってしまう程存在感が強い。
 更にピカチュウが今までのマスコットキャラと一線を画しているのは、彼が「戦士」であるという点だ。可愛い外見に似合わず、印象に残る「でんげきたいけつ!クチバジム」の対ライチュウ戦など、今までかなりの戦いを勝ち抜いてきているし、元のゲーム版でもピカチュウは序盤から中盤までは、かなり使える頼もしいヤツなのだ。
 「戦う愛玩動物」、それこそピカチュウの開拓した新しい魅力だったのである。

2.不思議な悪役
 「やな感じ〜〜ぃぃ!」と悲鳴を挙げて、毎回ドジってすっ飛んでってくれるロケット団の2人+1匹。これまたアニメ的には「お約束」なドジなヤラレ役なのだが(ヤッターマンの三悪人を彷彿とさせますな)、ムサシとコジロウが「ドジな悪役」という役まわりには不釣り合いな程に美女美男である事、3人の中でのリーダーがハッキリしない事(ニャースは自分がリーダーだと思いこんでるようだが…)、ゲーム版に比べて彼ら以外のロケット団員がほとんど登場しない事、などなど結構「お約束」から外れた部分も多いのだ。
 一番不思議なのは「ムサシとコジロウの関係って何?」。妙齢の二人が始終行動を共にしていて、まったく恋愛とか男女関係の匂いがしないのである。「ゆうれいポケモンとなつまつり」の回から見て、コジロウは女性に興味が無いワケでもなさそうだし、ひょっとしたらこの二人、姉弟なのかもしれない。
 いずれこの辺の関係が明かされる日も来るのであろうか。

3.どうなるカスミちゃん
 カスミも一見「主人公に協力する勝ち気で活発な女の子」という、これまた「お約束」な設定のキャラクターなのだが、その描写を見ていると「タンクトップに半ズボン」というかなり露出度の高い服装であるのも関わらず、おへそ部分だけは滅多に見せなかったり(なんかスタッフのこだわりがあるのだろうか?)、美的感覚が他人とズレていたり、美人の姉に対してコンプレックスを持っていたり、いつの間にかサトシのピカチュウを手なづけていたりとか、なかなかあなどれない奴だったりする。
 ストーリーの流れ的には、最初は新米トレーナーであるサトシより先輩ぶっていたのが、ハナダジムの戦いでサトシの才能を認め、その後共にいろいろな冒険をするうちに、いつしかサトシと恋仲に…、というのが予想されるカスミの役回りなのだろうが、どうも「スリーパーとポケモンがえり!」の回でコダックをゲット(…というよりコダックは自らすすんでカスミのポケモンとなったのだが)してから、微妙にカスミのスタンスがおかしくなってきている。
 水系ポケモンには絶対の自信を持っていたカスミが、勝手な行動を取るコダックにより、トレーナーとしては次第に役立たずに、…つまりお笑い役に回る事が多くなってきたのだ。
 はてさてカスミはこの後、単なるドジな女の子に格下げになるのか?(このアニメでは最初、ジムリーダーとして渋〜く登場したタケシが、その後やたら惚れっぽいだけのマヌケなアンちゃんに成り下がった前例もある)
 それともコダックがゴルダックに進化するあたりで、彼女もトレーナーとして成長するのか? まだまだ「ポケモン」からは目が離せそうにない。



 ・・・そんで夏には映画「ミュウツーの逆襲」公開かぁ。
 コレ去年の「もののけ姫」より混むんじゃないのか?


[前のページへ]      [次のページへ]