Re ディズニーはミッキーだけじゃない。帝国の裏側を紹介しよう。
ディズニーといえば、普通の印象は、1にアニメ、2にテーマパークといったところだろう。確かに80年代半ばまでのディズニーはそうだった。売上の8割をテーマパークが占め、後はアニメ映画や子ども番組がちょぼちょぼ。しかもウォルト・ディズニーが生きていた頃のリバイバルばっかり、という感じだった。
様変わりしたのは1984年。マイケル・アイズナー、フランク・ウェルズ、ジェフェリー・カッツェンバーグの3人が経営陣に入ってからだ。彼らがやったことはただ一つ、大人向けの映画部門の立ち上げだ。証券会社と組んで初の本格的な映画向けの巨額な投資基金を用意させ、それを元手に、フォックスやワーナーといった大手でも年にせいぜい10本少々しか映画を作れないでいるのを尻目に、年間平均20本以上、多い年には50本の大台にのろうかというだけの映画を量産。ディズニーを、子ども専門のミニ映画会社から、あっという間に、ハリウッドでのシェア1位にまで押し上げたのである。
これで勢いがついたディズニーは、60年代以降ぱっとしなかったアニメにも潤沢な資金を投入しはじめ、90年代、ウォルトの生前に匹敵するアニメの黄金時代を築き上げることに成功した。第二の創立といっていい程の大躍進だ。ディズニーはもはやミッキー・マウス・カンパニーじゃなくなっている。
でも、物事そうはうまく続くもんじゃない。ケチのつきはじめは94年のヘリコプター事故によるフランク・ウェルズの急死。間を取り持つウェルズがいなくなった途端アイズナーとカッツェンバーグの不仲が爆発し、カッツェンバーグは退社、スピルバーグと新企業を創立する。この企業、ドリーム・ワークスは、暴力的でない大人向け映画とアニメ映画が主軸になるらしく、まるっきりディズニーと路線が同じ。強力なライバルになること請け合いだ。
おまけに苦労して買収したABCの視聴率は低迷、株価も低迷、トイ・ストーリーとノートルダムの鐘は世界第二位の規模を誇る日本市場で思いの外売れず(吹き替え版の上映が後手後手に回った)、映画は作りすぎで収益が悪化、そして今度は中国とのトラブルというわけだ。この乱調のせいかどうかはわからないが、12月12日には、遂に、ウェルズの後任社長だったマイケル・オーヴィッツ(スター俳優・大物監督・脚本家などなどの並みいる才能を押さえ、ハリウッド映画業界の裏舞台の主役として長年君臨してきたタレント・エージェント。松下のMCA買収と売却をコーディネイトしたことでも有名)の退任が発表された。
というわけで波乱含みのディズニー帝国。来世紀までの数年間が正念場になりそうだ。
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